イチゴの意味が変わった日〜Strawberryコンサート感想〜

お題「NEWS15周年コンサート "Strawberry" memories」

 

 

気づいたら味スタにいた。うちわもTシャツも何も買えなかったけど唯一買えたstrawberryのペンライトを持って味スタにいた。
NEWSにしか揺さぶれない感情がある。それはとても不安定で、滅多に私の中に現れなくて、でもここにしかいないから、味スタにいた。

 

始まりは2016年に参加させてもらったWhiteコンのDVD鑑賞会だったと思う。
なんとなく好きな文章を書く人をフォローしたらその人がNEWS担だった。
芋ずる式でNEWSの話を見かけるようになって。コンサートはレポ禁止だから、みんなネタバレをしないでいかに素敵か楽しいかってことを伝えるツイートをいくつも見た。
当時、私にとってジャニーズのDVDを買うのはハードルが高い行為だった。そんな中で友人がWhite鑑賞会に参加するのを知り、ダメ元で声をかけ参加させてもらった。
その友人以外全員知らない人たちだったけど、みんな優しくて。シゲの「ESCORT」が泣くほど性癖で、怯えながら見る私をみんなが笑ってくれた。
帰り道、初めてジャニーズのDVDを自分で買った。

 

そうだな。やっぱりきっかけはシゲだった。シゲの頭の中身をまず好きになった。

 

NEWSというグループをちゃんと意識し出したのもこのころだと思う。レギュラー番組も
このとき知り合った方をフォローしたことで自然とリマインド機能ができて、見る機会が増えた。

 

この年はちょうど24時間テレビのメインパーソナリティを務めた年でもあった。
偶然つけた音楽番組で「フルスイング」のエピソードが流れた。もともと9人いたNEWSが4人になったこと。そして背負った曲が「フルスイング」だったことについて。
びっくりするほど泣いた。
今にしてみればありえないけど、本当に4人になる痛みについて、考えたことがなかった。
ずっとそうするつもりだったのだろうとか、納得してなるべくして4人なったのだろうとか、ふわふわした認識でいた。
そんなわけないのに。


同年冬、今度はQUARTETTOの鑑賞会に同じメンツで参加させてもらった。
豪華なパッケージ。オープニングの緞帳衣装がたまらなく好きだった。メンバーには重い重いと言われて不評なんだよ、と言って笑っていたが、テーマを深く理解しなきゃできない衣装だからこそ心を強く掴まれた。もともとクラシックが好きな私はクラシック音楽をアレンジした曲「四銃士」を豪華に生オーケストラで演奏する姿に完全に落ちて、やっぱりDVDを買った。


White、QUARTETTO、と見て思ったのはNEWSはコンサートを演劇、舞台のようにするのにとても長けた人たちだということだ。
私は、ジャニーズのコンサートは大抵メッセージに重きを置いたコンサートか、何かしらのアイテムをテーマにしたコンサートのどちらかに分かれると思っている。NEWSはパッと見、後者のようの見えるが、ちょっと違う。アイテムを多用し、舞台を作り、そして最後には必ず同じメッセージを伝える。
正直言って、私にはこの「メッセージ性」というものに苦手意識があった。「現実がどんなに辛くても俺らがいるから」とNEWSが言うその言葉を正面から受け取れなかった。私にとって現実はそれほどつらいものじゃなかった。頑張って、とか、ひとりじゃないよとメンバーが言ってる映像を見ても、動かない心があった。


次のコンサートが発表された。「Neverland」。ジャケ写が公開された。初回限定盤にはNeverlandに行ける鍵が付いてきます、という触れ込み。
初めて行こうと思った。2年分のコンサートがどっちも好きだったら次も絶対好きじゃないか。絶対に私の好きなNEWSの世界観がある。ジャニーズへの現場に対して随分と重くなっていた腰を上げて、フォロワーさんが偶然余らせていた静岡行きのチケットを譲ってもらった。

ここからは超個人的な話になるけど。
その少しあと。恋人に振られた。高校一年から付き合って、進学先は違ったが私が大学に通う4年間も付き合い続けて、就職して同棲を始めた同性の恋人に、家の洗濯機の前で「会社の人に告白されたの」と告げられた。最終的には、私は男の人が好きなの、という決定打も言われた。さすがに、というか当然のように病んだ。人生の1/3一緒にいた人だった。何より手放したくないものだった。

4/30。ボロボロだった。せっかく譲ってもらったチケットをキャンセルしたくなくて、行こうと決めていたくせに交通手段を押さえる余裕がなくて、直前に予約サイトを見たら静岡行きのバスはもうなくなっていた。何を思ったか沼津行きの昼行きバスを予約して、そこからさらに2時間鈍行で移動した、ボロボロだった。

 

コンサートは最高だった。オープニングの列車でまだNEWSは登場してないのに元取れたわ…と興奮した。最高のNEWSの衣装。手にするのは炎を放つ銃。杖。刀。旗。最高だった。小山さんの誕生日で素手でケーキを鷲掴んだシゲ。思わず引くメンバー。馬鹿みたいに笑った。
そうして、たどり着いた曲は「U R not alone」だった。みんなで歌える演出もいいな、くらいに考えていたけど、気付いたらこんなに?ってくらい、何度も歌わされた。

例えばこの声が届くなら誰でもいい
聞こえますか 胸張ってさあ叫ぶんだ
全部詰め込んだこの宣誓を
僕は誓うよ 一切引かないし 一切負けない
自分で決めた道のうえ 全てをかけて
笑えるように やり抜くぞ

歌いながら、歌っているうちにやっと歌詞が私の元へ届いた。
誓えないよ。誓えるわけがないんだよ。やり抜けないよ。怖かった。とにかく毎日が。失ってるくせ自覚することが怖くて、何かの間違いだと自分をだましだまし生かして、もしかしたらとか、どうやって生きたらいいのか、とにかく分からなくて。歩むことすらできない私に、何が誓えるって言うんだ。
困惑する私をよそにこの人達は誓わせた。くたくただった私は歌うことでさらにくたくたになって。どうしようもなくて、自分のためだけに歌った。

 

帰り道の新幹線、降ってきた星を眺めながら「救われたんだな」と思った。
アイドルに救われる、ってよくSNSで見かけるような言葉。私はそういうタイプじゃなかった。今までアイドルやそういったエンタメの趣味というのは、何かがあったら諦められるものであり、あくまで趣味でしかないという割り切りで見ていた。人生をちょっと楽しくする、軽めの持ち物。でも蓋を開けてみたら、ずっと私の未来にいてくれた恋人がいなくなって、自分の人生には何も無いかもしれない、と思っていたところにぱっと現れたのはアイドルだった。
もしかしたらそういう人生なのかもしれない。捨てられる捨てられると、自分が軽んじていたものに救われていて、あとから気づくような愚かな人生。
「ああどうか 力を貸してくれないか 昨日までの僕よ」何も持ってないと思っていたけど。あるのかもしれない。
偶然に偶然を重ねて「生きてみよう」という純粋なエネルギーをNEWSからもらった。


2017-2018のカウントダウンコンサートにて、NEWSの春コンサートが発表された。すぐファンクラブに入会して、EPCOTIAにはリア友と参戦した。
会場入りして、宙に星のセットが浮いているのを見て、すごい、と友人から小さな歓声が上がった。
アナウンスが始まり、曲が流れる。いつ、いつNEWSが登場するんだ。バクバク心臓を踊らせたら、無重力のように吊られたNEWSが4人登場した。私はその瞬間心の中のトランクから100万ドル出した。優勝。元が取れるどころじゃない。完璧。シンプルながらに2色のパープルの衣装がとてもカッコよくてたまらなかった。しかし次の曲で脱いでしまい、もったいない!とは思いながらも赤のスパンコールに包まれた衣装も素敵で大盛り上がりした。一曲一曲が終わるたび、練られきった照明や衣装、演出に何遍も身体を反らせたりしてた。
今回のセットリストにも「UR not alone」が入っていて嬉しかった。一番近いリフトで上がって歌ったのはシゲで、酸欠になるんじゃないかというくらいカラカラに歌った。間奏で水を飲み、必死に、体ひとつで歌う。やっぱりうまく言えないけど、がむしゃらで、必死で、全部を出し切る姿は私と私の友人の胸を打った。


それから。NEWSに恋してのシゲルート本編が始まったので、ダウンロードしてから開いてなかったアプリをあらためてプレイした。シゲルート本編もだが、イベントルートも集中的にこなす中、どろどろに小山さんに溶かされていった。距離感を詰めるのが異常に早い小山さんにドキドキしていた。シゲルート本編は切ない、アイドルとの恋について刺さるものばかりで。とても楽しくプレイしていた。

 

 

 

 

 

 

活動自粛が終わって。MUSICDAYで「生きろ」を披露したとき。あまりにも、その歌詞に動揺した。やめようと何回も何回も考える胸の中で、どうしたってこの曲を物語にしてしまう自分がいる。そんなわけない。ドラマのテーマに合うだけだ。でもこの歌はNEWSのためにあるんじゃないかって、NEWSのために作られた曲なんじゃないかって思う自分がいた。どんなに抗っても、歌う彼らは歌詞を全部背負ってることは私の中でもう間違いない事実なのだ。

カラカラになって歌うNEWSを見て、思い出したのはEPCOTIAのシゲだった。もしかして、NEWSの魅力ってここなんじゃないか?
「フルスイング」のときも、「U R not alone」のときも、そうだった。彼らは全力だ。
始まりは「僕らの旅路には見えないひもがある」というシゲのパート。「果てしない闇へと向かって 飛べやしないとやたらへこんで」は小山くん。手越くんが歌う、力強い「負けそうになるけど」を受け取って時に柔らかく、時に同じように強く「いいさ 懸命に誓った仲間の絆を道しるべに」を歌うまっすー。
歌、がシンプルに届く。NEWSで、音楽の力とも違う、「歌」の力を、初めて知った。本当に届けるために全部を出して歌う姿に、どうしようもなく揺さぶられ続けてる。

 

 


夏。味スタは外れた。直前になって、やっぱり行きたいのかもしれない。15周年という月日の端っこをかじった人より行くべき人はいるだろうと納得させた心が、でも、もし行けるんだったら…と揺れ動き、わずかな期待で譲渡を探した。ツイッターでチケットを譲ってもらえるのが決まったのは金曜の昼で、職場の休憩室で叫びそうになった。すぐに野外ライブについて調べて、土曜日の空いてる時間に熱中症対策、雨対策グッズを買い込んだ。ファンの方がまとめてくださったブログを拝見し、リストを作り、店を回って。普段だったらこんな暑い中、騒ぐような場所に絶対行かないから、自分が不思議だった。その時間は遠足の準備によく似ていた。
当日、陽射しこそなかったものの湿度は高く、グッズに並んで、すっかり疲労していた。でもくたくたになった先に、NEWSがいる。むしろくたくたになればなるほど、楽しみになった。

 


1曲目、BLUEで始まった。まだ淡いオレンジの空が見える中で聞くのが本当に気持ちよかった。
水が馬鹿みたいに出て、てごにゃんが「みんなを濡らしてあげる~♡」って言った直後に水がまた噴射するもんだから、物理かよ!って大笑いした。
NEWSのコンサートは舞台みたいだと思っていた、と書いたが、この日のライブはいつもと少し違った。15年を想うライブだった。15年分のシングルをたくさん詰めて、よく笑って、デビュー曲をアレンジした衣装はやっぱり素敵だった。
NEWSがはけ、可憐なケーキ屋さんは夜になり、今までとは明らかに違う、少しダークな雰囲気の映像が流れる。
あ、「BYAKUYA」がくる。お膳立ては最高だ。さあ、今か、今か、と待ちわびる。
しかしモニターには「夜よ、踊れ」というネオンライト色のタイトルが映し出された時は叫んだ。
やられた!
気持ちいい伏線と裏切り。悔しい、やられた。ああ、本当に最高。
その上、生バンドでしかもアレンジでの演奏。どこまでもどこまでも突き抜けていく感情。

 

NEWSの衣装について、と差し込まれたインタビュー映像。少しいじったり、愛ある言葉を並べたり。
話題はメンバーカラーについて、に移った。正直私はメンバーカラーという縛りがあまり好きではない。
というかそこにこだわりすぎることによって創造性が失われることが嫌だった。
NEWS、というか特にまっすーがそれにこだわっていないことは言葉で聞いたことはなかったが、想像はなんとなくついていた。
だからその話題に触れるのにはびっくりした。「4つ前のコンサートからずっと考えていたことがあるんですよね」という言葉。今度こそメンバーカラーの衣装が…? でもなぜ「4つ前のコンサート」なんだ…? 
読んでいる方はご存知の通り。あの瞬間、私は叫んだのかな。言葉を失ったのかな。もう、記憶が飛ぶほど。
Whiteのピンクの衣装。鮮やかで可愛らしい衣装はNEWSに、特に金髪の彼にぴったりだと思ったこと。
QUARTETTOの黄色の衣装。この特徴的な形をした服をジャニーズのコンサートに持ってくるのはまっすーくらいだよ、と興奮した。
Neverlandの緑の衣装。まっすーらしくないとなんとなく思っていて、珍しく彩度の低い衣装だなと記憶に残っていた。
EPCOTIAのパープルの衣装。ああ、あのオープニングで着ていた、大好きで脱いで欲しくなかった衣装をここで見れるなんて。
バラバラの4つが、並んで、笑っている。
「一人一人が持つ色だから、鮮やかなマーブルを描けばいい」
やっぱり、NEWSは戯曲だ。伏線と裏切りと、カタルシス。音も、衣装も、言葉も、歌も。全部で魅せてくれる。


そして15年前、デビュー当時の自分へコメントをする映像でのこと。まっすーが「僕は今、幸せです」と誰より簡潔に言い切ってくれたこと。
私はアイドルへの願い事が2つある。順番も決めている。
2番目は、アイドルを続けてくれること。
絶対に譲れない1番は、幸せでいてくれることだった。でもこればっかりは、祈るしかできない。
だから、まっすーが幸せだと笑って自分へ伝えてくれたことが、それを聞かせてくれたことが、とてつもなく、嬉しかった。

 

気づけば空はもう真っ暗になり、花火が上がり、最後に歌った曲は、「生きろ」だった。
4人が目を合わせる。互いの顔を確認して、頷いてから、正面を向く。ずるいずるい演出。
モニターにはCDジャケットと同じであろう書体で、大きく歌詞が映し出されたのを見て、私はやっぱり揺さぶられた。
カラカラの切望。明日には死んでしまうくらいの命の燃え上がり。友を力強く繋ぎ止める腕。熱。眼差し。命を枯らして、命の全てを乗せて、歌う。


2番はstrawberryで初披露だった。

守りたいものがあるだけで 強くなっていけると思ってた
笑えるほど愚かで 泣けるほど愛おしい
終わりなき青春

生きる、というのは生きる、を続けていくことだ。
ぴったりな歌詞だ。終わらない、終わらせないための歌。大好きな歌。

 

エンドロールのバックに流れたのはオルゴールバージョンの「生きろ」だった。
時計を見れば、8時55分。ああ、やっぱりアンコールはないんだな。
いいな。NEWSらしい。そう思っていたらオルゴールバージョンの「生きろ」に合わせてファンが歌い出した。
あまりにも綺麗な瞬間だった。
歌の力を教えてくれたのはNEWSだった。だからずっと返したかった。返すことができた。
幸せだった。

 

 

 

 

 

当たり前だけど、たまに忘れてしまう。15年続けているっていうのはとんでもなくすごいことだ。今までなんとなく4人以前のNEWSから避けていたけど、こんなにいい曲がたくさんあってさまざまな軌跡のある時間をそういうふうに無視するのはもったいないことだったんだなと感じた。避けるなんて行為はやめていろんなことを知っていきたい、そう思ったコンサートだった。

 

ここまで書いて、今は9月2日の深夜。
明日はゼロで、小山さんの役が発表されるかもしれないし、にゅす恋の季節×曲のイベストは性癖ど真ん中で。*1

いろんな楽しみが続いていく。
NEWSと出会えたのは、好きになったのは、今でも偶然だったと思ってる。
その偶然はNEWSだけじゃなく、NEWSを好きな人たちと出会ったことによる繋がりが続いてくれたからだとも。
その紐を、手放さないように生きていくよ。
15周年おめでとう。私も今、幸せだよ!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鮮やかなマーブルに気を取られすぎてイチゴの意味に気づいたのはコンサートが終わってペンライトを眺めていたときだった。あまりにも遅すぎる自分に笑った。

もう1つ気づいたことは、私にとってイチゴが悲しい存在じゃなくなっていたことだ。別れた恋人の大好物だったイチゴ。ショートケーキを食べるときはいつもあげていたフルーツ。スーパーで見かけることさえ嫌だった日々はもう終わっていて、私を幸せにする存在になっていた。

 

生き続けてきて本当に良かったと思う。今も、来週の日曜日も、これからもきっと楽しく生きていくよ。ありがとう。 

 

 

 

*1:と思ったら小山さんの役発表されないじゃん!!!生殺しだよ!!!!!!