予感は結晶化する

「生きてる人間に対して、こういうところが好きだって明確な感情を持って追っていると、いつか好きでなくなる日がくるのではないか?」とアイドルを応援している友人が言った。
何も言えなかった私は、ただ、「いったん持ち帰らせてほしい」と言った。数年前の出来事だ。

 

〇月〇日
引っ越した。
実家に帰ろうか悩んでいるところを拾われ、気付けば5年一緒にいる同居人とともにに引っ越した。職場から遠いことと仕事の多さに限界を感じ、最悪一人で暮らそうと静かに物件を眺めていたとき、同居人に「ジムに入会しようか悩んでいる」と言われ、それでは絶対一人暮らしになってしまうと(なぜか)焦った私が引っ越しの話を持ち掛け、そこからとんとん拍子に進み、今に至る。
私たちの引っ越し話は今まで何度も出ていたが、互いの収入やちょうどいい物件がなかったので何度も話が流れた。なのに、今回は本当に不思議とすべてがかみ合った。

新居は収納が多いが、謎の柱が数本部屋の真ん中に立っている。その邪魔さにウケてしまい、面白物件として1件目の内見に選んだはずが、水回りの綺麗さと窓の多さにほれ込んで、そのまま申し込みに至った。
年度末には物をたくさん捨てて、ベッドや棚を解体して、くたくたになりながら気づけば引っ越していた。
収納類を捨てすぎた同居人の部屋の床には、お気に入りのぬいぐるみたちが可愛く転がっている。
まだ、うまくは飾れないけど絶対にしまえないそれたちは、愛を持って太陽を浴びている。
可愛い。

一方、私はデスクと一人掛けソファを購入し、棚にはお気に入りのインクと照明を飾る。
気付けば、生活が出来上がっていた。
リビングには同居人が選んだ絵が、小さな人形と花瓶が飾ってある。
邪魔な柱は一人掛けソファを2つ購入し挟めば、まったく気にならないものになっていた。
調子に乗ってKEYUCAで買ったビールグラスを2つ並べて、2人でご飯を食べたりする。

生活は、出来上がっていく。
キッチンもお風呂も広く、今まで屋根裏で寝ていた生活と極端すぎて、どちらも実感が遠ざかってゆく。
夜に、オレンジ色のライトに照らされるリビングを見ると、奇妙な気持ちになる。すごく欲しかったわけではないのに、整った綺麗な生活たち。春の誕生日には同居人からチュベローズの香りがするボディソープをもらい、引っ越し祝いに母からはホットクックをもらった。オーブントースターと洗濯機を新調した。

全部ある、生活。

こんなもの持てると思っていなかったから、実感だけがない。まるで自分がいないみにたいに、景色を眺めているだけのような気分になる。
でも、私のものなんだろう。たぶん。
そういったことを認めなくちゃならない。

過去の日記で「永遠だけがない」と書いた。今、つまり今日は、永遠とかにかかわらず大切にしないといけないのが生活なんだろうと思う。大概のものは、簡単に壊れちゃうし、ちゃんと思い出を天国に持っていきたいから、大切にしたい。

いつか同居人にお椀とお箸をもらったとき、私は全然認められなかった。生活があること、家があること、エトセトラ。
あれから気づけば5年たつ。あの瞬間に抱いた生活の予感みたいな、それらが形になって、ふしぎ。愛おしいと寂しいが、目の前に広がって、ただ受け入れるべきなんだよと、心が先に答えを教えてくる。


〇月〇日
メトロックに行ってきた。一曲目フルサイズの「weeeek」ではずっと飛んだため、酸欠か熱中症になり無限に汗をかいた。そのせいか周りの状況を正確にとらえることができずインプットが十分にできなかったことが悔やまれるが、恐ろしいほどに楽しんだ。

加藤さんが、とても楽しそうだった。客席を見て、満足そうに笑う。「未来へ」ではファンの「wow」が響いたとき、ふと後ろを向いた。おそらく後ろのモニターを見ただけなんだろうけど、私はなんとなく、加藤さんの中で感極まるものがあったんじゃないかと思った。うれしかったら、いいな。

「U R not alone」は「NEWSが”歌わない"ことは"""ない"""んだよ」と、メトロック前にTwitterに書いた。やらないわけが、"""""ない"""""。予想通りというべきか、まさかラストに持ってきてくれた。

いつからだろう、2番のAメロの加藤さんから目が離せなくなったのは。

あのころの僕は負けそうになると
誰かのせいにして逃げて
諦めた言い訳はそりゃ楽で
そして僕はまた自分に負ける

加藤さんはこの歌詞を、いつも痛々しそうに歌う。
後悔をにじませて、悔しそうに、苦しそうに歌う。

いつから加藤さんはこの歌詞を、笑って歌うようになったんだろう。

過去に友人と、「好きなところがはっきりした状態で好きに―――ファンに―――なったら、その「好きなところ」がなくなったとき、たぶんその「好き」は終わるんじゃないか?」という話をした。悩んで、持ち帰った議題はずっと私の中にある。時折、手にとっては眺めて、しまう。

あの、2番のAメロを苦しそうに歌う加藤さんが好きだった。ずっと過去を後悔していてほしかった。いつまでも苦しんで、もがいていてほしかった。
もがけばもがくほど、加藤さんが好きになれる気がしてた。私がそうであるように、「もがく意味」が欲しかったのだ。

加藤さんが直木賞候補になったとき、正直に言えば複雑だった。
賞という自分以外の価値観ではかられてしまうことへの恐怖もそうだが、私を置いて立派になったらどうしようという感情が芽生えたのだ。そのまま言うには欲望が強すぎる感情だが、大本はそうだ。そうなったらどうしよう。もがかなくなってしまったらどうしよう。私はまだもがく必要があるのに、あがきたいのに。
どうしよう。

鬼は笑う。直木賞のお祭りは楽しく、考えたほとんどは杞憂だった。でも明らかに加藤さんの肩の力は抜けていったように思う。大きく変わることはなく、地続きの人間がいる。
「音楽」コンサートで加藤さんは柔らかく笑うようになった。ファンサのトロッコでそんな表情をするんだと、素直に嬉しかった。

メトロックの「U R not alone」。約4年ぶりになにも気にしなくていい、声出しの場だった。こんな人生の節目で歌われたら人生の曲になっちゃうよ…とか思って、聞いた。

「拝啓、あの日の僕へ」
初めて聞いたのは2017年、自分が空っぽだと思った私へ。汗だくになりながら、2023年に歌っている。

加藤さんは2番のAメロを増田さんと笑いながら歌っている。
そこで友人からもらって何年も眺めていた議題がするっとほどけた。

私も変わる。
別に苦しむ必要はない。というより苦しむふりは必要ない。
苦しまずとも、頑張れる。2017年からの私がいる。
痛々しくなくとも汗だくになれる。君がいる。
私の過去と今、その少し先に自信を持って笑う君がいる。それ自体に勇気をもらう。
好きなところが変わったわけではない、この好きは地続きだ。私も君も相応に変わっていく。年を重ねていく。


―――本当は、点と点を時間をかけて結んだだけだ。
だって、本当はね、友人からあの話を聞いたときから、結論は決まっていた。「それでも好きは終わらないのではないか?」と言いたかった。証明するために必要だった長い時間だ。

 

 

予感は結晶化する。
もしかしたらそうなのかもしれないと思える時間は今までいっぱいあって、いつか知るのだろうかと期待をもたないでいた。出会うことや受け入れることはいつだって時間を要する。誰かが言った言葉を知るための時間。芽生えた疑問に生きる時間。幾千の失敗と経験は目に見えない形で蓄積されて、気づいたら結晶になって、形づけられて、

認めようよ。

受け入れてみようよ。

そんな予感。

 

 

 

遠く離れていても途切れることのない/NEWS LIVE TOUR『音楽』感想

例えば、演出の1つ1つの意味や概念を考えるのが好きだ。
見えた光景、歌詞、服、色、ダンス、それらを自分の中で繋いで、意味を見出す。
たとえNEWSが考えていることが全部分からなくても感じたことを自分の中に落として、たいせつにしてみたい。

 

今回は全然違った。
もちろん1つ1つを咀嚼したり、意味にしたりする。
でも頭を使うより、体が、五感が喜ぶのを感じていく。勝手に心が喜んでいくような感覚を、NEWS LIVE TOUR 『音楽』を通して知っていくのが、うれしかった。

 

・音が美味しい
NEWSのライブは生バンドがいい、今回は生バンドな気がするというのは実は毎年言っている。毎年確信のように思ってるけど、なかなかそうはいかない。でも音楽テーマなら絶対そうだって!とやはり例年と同じようなことを言って、それが叶って本当にうれしかった。

音を食べるいきものとして、あの会場に私たちはいた。
『TRIAD』で奏でられる一音一音、『KMK』のオケ、『pink moon』のピアノ、『agitato』のベース、『KAGUYA』につながる和風メロディー、今回真っ先に感じたことは「音のアソートパックだ!」だった。音源ママじゃない音が美味しい!

特に増田さんのエモーショナルな歌い方は時にゆっくり、時に早くいく。それに合わせる楽器隊が相乗効果となり歌の良さを見せてくれる。

小山さんの低音には聞き惚れた。『pink moon』や『走れメロスのように』では思わず目を閉じて聞いていた。視覚的に距離があっても、目を閉じれば近くなれるのが音なんだと初めて知る。低音だけじゃなく、声量もついた小山さんの歌声が服の裾が震わすのを感じて、恋のようにドキドキした。やっぱり私はいつまでたっても小山さんにドキドキしてしまう。

加藤さんの怒るような歌い方が好き。『JUNK』のセリフ「勝手に終わりにしてんじゃねーよ!」の痛み、『0,0,0,』の「失ったチャンスの数はthat's quite uncountable 数えたところで戻ってこねえ!」の力強さ。フォロワーに「加藤さんは怒り方が綺麗」って言われて「真理だ…」と思った。怒る加藤さんが好き。『未来へ』では、とある会場で、「嗚呼 叫べ」を叫ぶように歌った。口からマイクを遠く離しているのにはっきりと声が聞こえる。心が震える。

 

・カナリヤ

NEWSが3人になって、言いようもない不安を抱いて間もないころ、『カナリヤ』をテレビで見て「大丈夫だ」と思ったのを覚えている。私はNEWSが確かに、絶対に、好きだ。だからこれは私にとって「NEWS3人のはじまりの歌」のように思っていた。

『音楽』を通して、その認識は少しずつ変わっていった。増田さんしか見れないのだ。
鳥かごのような照明の中で増田さんが、ひとりうたう。コヤシゲが奥から、まるで福音のように、救いのように登場するのに、増田さんは飛べない。

幸せってすぐそこにあるようで
あると思うたび見つからないよな
それでいいと言い切れる強さが
僕にあったら
こんなことになってないのかな

初めて曲を聴いたとき、「そんな強さなくてもいい」と思った。あのときと感情がリンクする。
増田さんのダンスは、ある種の力強さがあるのに、ずっと苦しそうだ。飛ぼうと思ってジャンプするのに地に落ちてしまう光景をイメージする。サビは悲しそうで苦しそうで、痛々しい。本当にこんなところからまた飛べるのだろうかと、もういいよと声をかけたくなるほどで、全然増田さんから目を離せない。
だから映像の黄色い鳥が飛んでいるのを見て、泣きたくなる。
自分にとってずっと大切な曲だから、「カナリヤはいたんだよ」って誰に宛てるわけでもなく喚きたくなる。分かってよっていう感情と、分かられてたまるかって感情が同時に存在して、泣きたい。
あの増田さんの表現力ってなんなんだろう。私の知らない私を引き出してくるほど、魅了された。

 

 

カスタネット

オタクにこんなおもちゃ持たせるな!!!!!!!!!!!!!!!と途中まで思ってました。正直結構思ってた。ここはクラップターンでもない!うるせえ!!!!!!!というシーンはいくつかあり、周囲のファンと解釈違いも何度かありました(自分がマジョリティーだとは思ってないから、一意見です)
実際NEWSもコンサートに使うかは決めてないままグッズを作ったらしいので(おもしろすぎるだろ)、NEWS側も取り扱いに戸惑っていたのは面白かったです。最高なグループ。
初日ではあまりに鳴りすぎていて、ちょっと鳴らしすぎかも…曲のイメージとは合わないかも…とMCで言い、ファンの空気読みが発生したりと一連の流れが面白かったです。あとコンサート前に「NEWS!」コールの代わりにカスタネット鳴らしはじめたとき、ファンから息が漏れるような「ふふっ…」という声が出たことなど、カスタネット回りで起こったことはわりと楽しかったです。音を大きくするとカスタネット鳴らしが起こりにくくなるとか、もしかしたらNEWS側もずっと調整してたのかもしれないけど細かいことは分からない。でもオーラスでは解釈違いのカスタネットターンがなかったのが個人的にすごくうれしかった~!NEWS担好きぃ~!

・二色になるメンバーカラー
例えばメンバーカラー=衣装の色に使われるのが私はあまり好みではない、というか創造力が閉じていく嫌だったのでNEWSがメンカラ使わないのを大変好んでいたんだけど、二色になったのはさすがに最高過ぎん? 二色になっても受け入れられるだけの土壌がしっかりNEWSとNEWSファンにできていること、別に来年にはNEWS忘れてるかもな~くらいの温度感がわれわれにあることなど、醸成されたアイドルとファンを感じる。こうやって、どんどん可能性が広がる、創造力で遊んでくれるNEWSを見ていきたい。


・楽しいコンサートと、みんなの歌声

今回のコンサートはずっと笑顔でいられるコンサートだった。加藤さんがアリトロで回るとき、今までに見たことのない笑顔をしていた。そんな表情を私たちに見せてくれていいのかってくらい、リラックスの笑顔。STORYのときはずっと何か背負ってたのかなって、今ごろようやく理解した(【理解】というか、勝手に私が考えたものだけど)。

増田さんも「安心」のような心情を感じる。逆に小山さんはあんまり変わらなくて、すごくそれが今のNEWSだなって思う。あるとき増田さんが挨拶で「NEWSは20周年イヤーに…入ったんだよね?」といきなり小山さんのほうを向いて、マイクを持ってなかった小山さんが返答できないまま増田さんが正面向いて挨拶続けてて、コヤシゲが顔見合わせて笑っていたのもそう。今のNEWS。

以前、ブログでくるべきときはくると書いた。それは、NEWSが三人に成ったことを自分が受け入れるということ。過去をひとつも捨てないで、そういう姿を見せてくれるということ。

 

だからずっと笑ったまま終わるコンサートだと思っていた。オーラスで泣く、みたいなことはないかなって。オーラス前に募集された『Coda』のファン音源もサプライズではなかったし、やっぱり歌声っていいよね!くらいの感情で終われるものだと。

なのにファンの歌声を聞いた瞬間、私はすぐ涙した。
理由は全然なくて、今回のコンサートで「考えるより先に体が喜ぶ!」と感じたのと同じように、体が勝手に泣いた。何も分からないまま、愛おしくてたまらなくなる。
15周年のコンサート『Strawberry』ラストのオルゴールに合わせてファンが歌った光景を思い出した。ずっと変わらない。ありがとうとか大好きだとか伝えたくて、歌いたかった。本当に幸せだったあの時間や、U R not aloneを初めて歌ったこととか、いろんな時間が凝縮されて降ってくる。理由を考える隙も無く泣いていたら、モニターに抜かれた増田さんや小山さんも泣いてて、同じ気持ちなのかなと思った。

 

くしくも、最終公演の会場仙台では声出しが解禁された。
口のない星が、声を、歌を、音楽を手に入れる。偶然とはいえ、より深く松たか子さんの朗読が響いた。

やっぱり『音楽』はずっと幸せなコンサートだったと思う。
意味なんか軽々しく飛び越えてしまうくらい、ただ伝わってくる。

 

次会えるときは、歌いたい。NEWSに返したいし、一緒になりたい。2年という月日で完全に慣れていたはずの心を強くそう思わせてくれた、幸福なコンサートだった。

 

NEWS楽曲から3つだけ選ぶの、無理でしょ

※「音楽」でやらなかった曲が分かるので未見は注意

 

news20th.jp


いや3曲選べますか?無理でしょ。
どんな基準をもってしても3曲に絞れない。順位付けが苦手。
あとどうしても歌詞先行な自分に少しコンプレックスがあったり、好きな曲を3つだけ取り出して見せるのも自意識が邪魔する。
恥ずかしいけど見栄を張るのも嫌だし、いったん好きな曲への想いを吐き出して選びます。

 

ルール
・思いついた順
・無理に書かない。嘘を書かない。大切なものだけでいい

 

Forever

すごい好きだけど少し苦手で、なのによく口ずさんでいる。「君との人生だったら千年だって足りない」なんて現実で思いたくない。愛じゃなくて恋の歌だ。なのにメロディーは綺麗で愛おしくて思い出しちゃう。歌ってほしいし歌ってほしくない。めちゃくちゃにされる曲。永遠を歌っているのに、永遠を手に入れられなさそうな儚さがあって、それが、やっぱりちょっと苦手。

 

流れ星

流れ星が大好きなんだけど、いまだに同志に会ったことがない…コンサートNEVERLANDにて、U R not aloneにつながる大切な曲。初めて行ったコンサートで星が降ってきた思い出がいまだに綺麗に瞬いている。
「流れ星空を渡れ」「この夢は光になるんです 遠く遠く届きますように」
実際現実で祈る機会はそう多くない。自分の夢ってリアリティがあって、うまく祈りに没頭できないまま進んでしまう。なのに例えば人生くらい長くしたとき、この曲がそばにいてくれればいいなって思う。

 

U R not alone

この曲が一位にならない世界があるのか? あったらそれは面白いから見てみたいけど、正直一位になるとは思う。だって思い出が多すぎる。いい曲すぎる。この曲との思い出は今まで何度も書いたし、何度もあったから、もう二度と歌われなくても実はいいんだ。おなか一杯ってことじゃなくて、二度となくとも思い出で生きられるくらいには十分だということ。だから投票するかずっと悩んでいる。でもイントロがかかると、「ああ」って思うんだよなあ。
過去の自分がいるから、ひとりじゃない、ということ。"ひとり"をそうやって包み込んでくれる曲

 

ライフ

大好きなのにいまだに同志に出会ったことがないパート2。なんでや。最高だからみんな聞いてよ…こちらもどちらかというとしっかり演出つけて歌っているイメージはないし、演出つけて歌った姿が見てみたいと思う。
「いつかは星になることやがて受け入れられるように今日を生きていく」
「きっとこうして重ねた日々が生まれた意味に変わるから」書いてて気づいたけど、これ一番の「僕はこの手に意味を求めている」につながるのか。上手~~~フルコーラスで歌ってほしすぎる。URが一位になるのを信じる気持ちと同じくらいフルコーラスで歌ってくれる未来が見えない…こんなに面白い歌詞なのに…メロディーが面白くないとか…?こんなに作詞家天才なのに…?みんなも好きになってよ…
ちょっと諦めみたいな、人生って結局そうやって重ねていくしかないよねっていう感情がふと湧き上がってくるような歌で、大好き。

 

世界

投票しようか鬼のように迷っています。世界が大好きだって話はやっぱり今までたくさんしてるし、シゲ担になったきっかけというか、追い打ちのような曲だった。聞いていた「あの時期」を思い出す。イントロで胸が震える。いや今は当時と同じような感情は再現できないかもしれない。雨の音をまた聞きたい。ルリビタキがいたような、いなかったような、結局幸福の鳥なんか幻みたいな、現実によりもどっていくような、"加藤さんらしい"歌。
加藤さんってメタ好きだからこの曲もメタなのかなって、ふと最近思ったことがある(そういう底知れなさをたまに見せてくるからシゲ担やめられん)。それはそれで面白いし、メタじゃない、心の底から湧き上がってきたものだとしても愛おしい。シュレディンガーの愛です。

 

カナリヤ

結局カナリヤが好き…なんでだろうな、カナリヤについているダンスが大好き。いわゆるアイドルらしい振り付けよりコンテンポラリー寄りで、何を想っているのか実際のところ分からない。癖になっている。
初めて24TVで聞いたとき、「あ、私NEWSのこと大好きだ」って思ったのを覚えている。何度聞いても不思議と変わらない。当たり前だって言われたらそれまでなんだけど、全然、自分じゃ、当たり前だと思えないんだよ。最初に見たとき字幕に表示されていたのが「大丈夫とうたっている」だったこと、次はYouTube(MV)で「大丈夫とないている」と歌われていたこと、歌詞カードを見たら一番が「大丈夫と"泣いている"」だったこと。些末なことで揺れちゃう自分がいる。
大人だから絶対しないのに、たまに大声で喚きたくなる。そういう感情にさせられる。

 

SPIRIT

鳥つながり。SPIRITは鳥です。初めて聞いたのはEPCOTIA ENCOREだったなあ。え!?歌うの!?って思って、青い鳥が翼を大きく広げて羽ばたく。4人に7人のバックがついて、サッカーの11人になった。コヤシゲのハモが大好きだった。「大勝負したくなる」感情にさせられる。絶対、無敵でしょって思う。手越くんの声が伸びて、力強くて、追い風となってくれる。気持ちがいいんだよなあ。

 

SUPERSTAR

4人の生も聞きたかったよ~!?もう叶わないのでこの話は終了です。
歌いだしが好き。なんだったらタイトルすぐに出てこなくて歌いだしで調べたくらい。

「ひとり うみわたり とおい きみをおもう」

この歌詞の空白も好き。ひらがななのも好き。増田さんにはひらがなが似合う。「痛みのない夢はない風とともに空むかい」の音の階段(?)も綺麗。ああ、でもやっぱりSPIRITと同じだな、手越くんの伸びていく声が好きだったんだよな、無敵だなって思えて。
バラバラの場所に立つ4人、あの演出が大好きだったなあ。

 

HAPPY ENDING

大好きなキャラクターがいる舞台で、彼が卒業してしまった帰りに酔っぱらいながら爆音で聞いた改札前を、一枚絵みたいに覚えている。もはやそれが本当の記憶だったか確信が持てない。
EPCOTIAが最高のコンサートだったけど、何より「ラストに歌う」曲として本当に良い。帰り道の寂しい気持ちの隣に座ってくれる曲が『HAPPY ENDING』だったら最高じゃん!「楽しかったね」「幸せだったね」と思える帰路にしてくれる。ちょっと妖精っぽいよね…「幸せはいつも君のそばに…」らへんが…(概念話)
もう一回、この曲で終わるコンサートを、シャボン玉に包まれながら見てみたい気持ちもするし、そういう上書きじゃなく大切な思い出として残しておきたい気持ちもあるよね…

 

Love Story

説明いるか? 大型歌番組で歌って見せつけてほしい

 

White Love Story

このままだと投票してしまうかもしれない…生で聞いてみたいけど聞いたら、たぶん、さすがに戻ってこれないと思う、現実に…
初めて見たNEWSのコンサート(DVD)がWhiteだった。この歌いだしを見て「NEWSとファンの曲なんだろうな」「こんな甘い曲に、こんな素敵な演出だなんてファンは幸せだろうな」と思った。私もファンになったから聞かせてよ~~~追体験してみたい…でも現実に戻れないよ…
でも今聞く「時代を超えて今も変わらず君は僕のヒロイン」って、絶対やばいじゃん? 聞きたいよ~てかなんでWhite以降でやってないの!?やってたらこんなに悩まずに済んだのに…今だったらどんな演出つけるの…?教えて…

 

チェリッシュ

「私が結婚式やるなら流す」ってずっと言っている。『Forever』と違ってこっちは愛ポイントが高い。主に「そんなに楽じゃない だからそばにいたい」らへんとか…

 

ヒカリノシズク

忘れちゃいけないんだよ~(???)
初めて会うフォロワーと入ったカラオケ屋で一緒に聞きながら「倒置法がいい」って話をした。楽しかった。
私は眠れない夜、もとい眠るのが怖い夜を持った記憶があるから余計響くのだと思う。
「今夜も今夜も夜明けが始まる」NEWSって優しくて妙に現実思考な曲が多いと思っていて、その良さがふんだんに生きていると思う。投票はしないかも、でも二度と聞けないのは絶対に嫌っていう、絶妙な距離感にある。

 

Shere

節目で歌ってほしいと思っている。正直に言えば6人時代のことはよく分からない(というかリアルタイムでなかったから実感がない)し、この曲が当時どんなふうに大切にされていたのか肌感では分からない。でも美恋やStrawberryで歌ったことの意味が、分からないなりに自分に降ってくる。自分が聞きたいからというより、この曲が大切だった誰かのために、その時間と今をつなぐために、NEWSに歌っていってほしい。
………いや、Strawberryであの衣装を着て歌う4人を見たから、たぶん自分にとっても特別になってはいるんだろうな。

 

エンドレスサマー

前に「NEWSの歌詞最高!」ってブログ書いたんだけど、何度読んでもエンドレスサマーの歌詞はすごい。ノスタルジーを感じさせつつ、少年が歌っても大人が歌ってもいい絶妙なラインで構成されている。もっと言うと少年が歌って、十年後大人が歌うことまで想定されて作っているように感じるくらい、過去・現在・未来を不思議とつないでくる曲。

 

夜よ踊れ

結局夜よ踊れじゃない!?ってくらい絶対イントロで爆上げしてくれる。2018年にめっちゃこすってくれたから、もうやらないんじゃないかな…と不安になったけどSTORYでは多様な表現を全員が見せてくれた。演出で毎回天井を低く魅せてくれる丁寧さ、チームNEWSは最高。ハモがセクシーすぎて毎回狂っている。ランクインしなくても歌い続けてくれ、いやランクインするでしょ…

 

Champagne Gold

生で聞くまで死ねないでしょ?初聴(?)で「セリフに味を占めるな!!!」と泣いた。美メロで、艶やかさがある。生で聞きたいんだけどNEWSくん忘れちゃった^^^^^^^^^?????

 

Bring Back the Summer

なんでやってないの? やったかと思ってた なんでやってないの? 逆に

 

Cascade

星屑の歌。これはやってくれたし演出も大好きなんだけどやっぱりメロディーがすごくいいんだよ~また別方向で演出も見たいよ~

 

AVALON

同上

 

IT’S YOU

同上。いやIT’S YOUは本当に好きなんだよな…Bメロが気持ちいい…

 

LVE

逆に思い出が最高すぎてやらなくても大丈夫なくらい好きだよ…

 

UFO

同上

 

君の言葉に笑みを

同上

 

2人/130000000の奇跡

なんとなく増田さんをイメージする。増田さんのパートが好きだからかな? これもアレンジしがいも演出しがいもあるから今のNEWSで聞いてみたいと思っている

 

何度でも

綺麗で初めて聞いたときから好き。大人なNEWSによく似合う。少し夢心地、浮遊感がありつつもリアリティーを歌う。別演出も見てみたい(もちろんSTORYの演出も好きだけど!)

 

ビューティフル

私ってこの曲好きなんだな!?って聞くたびびっくりする、土曜の午後に聞きたい曲。空白の時間が怖いとき、散歩しながら聞いてしまう。

 

 

 

書いてみたら、すごく特別とか大好きとかって実は少ないんだな。当たり前か。例えば10曲、5曲くらいは絞れても3曲を選ぶときにすごく悩ましいんだと思う。基準が欲しいのに「好きに選んでいいよ」って言われてまた悩んでしまうよ。進路希望書く高校生みたいな気持ち。そういうことが人生にもたびたびあって、うっすら嫌だから、軽い気持ちになりたいのに、3曲くらい少ないとさすがに重い感情だって出ますよ。

LET'S GO ハッピーエンド ☆ レッドブルつばさ単独ライブ『一生LOVE宣言』感想

芸人にハマっている同居人に誘われ、友人含め女4人でレッドブルつばさ単独ライブ『一生LOVE宣言』に行ってきました。※ネタバレあり感想です

twitcasting.tv

note.com

 

まえがき

レッドブルつばささんの前情報はほとんどなかった。

同居人が、レッドブルつばささんは自分の考えを「内臓」と呼んでるので風林は合いそう、と言っていた。私は自分の思考を「はらわた」と呼んでいる。脳みそと呼ぶ人もいるけど、「脳みそを見せる」だと自分の意識がない状態…受動的行為に見える。でも「はらわた」はまだ自分の意識を残すことができる。見せたいと思って見せるんだと、だから私は自分の腹を切るんだと友人に言ったらまあまあ引かれた。こんな能動的に勇気を持ってやっているのに不服だ。

閑話休題
個人で自分だけの言語を持っている人はそもそも「言葉」に一家言持ってないとやらないだろうから、そういうタイプなのかな?とうっすら思った。今も人となりを知っているわけじゃないから、うっすらである。

 

念のため、ライブ日前日に、一応何か知っておいたほうがいい情報ある?と聞いたらnote(エッセイ)を勧めてもらった。

美容院と「まとも」|レッドブルつばさ|note

芸人オタクの芸人が死ぬルート|レッドブルつばさ|note

 

腐女子彼女』がもう懐かしくてしぬ。お前の黒歴史は私の黒歴史なんだよ、急に刺すな…
芸人オタクが芸人になった話は「救いたいな…」「救えないな…」「救わなくていいな…」と思った。正直、あと5000字書いてもらいたい、もっと詳しく知りたいと思ったけどその欲はライブ後消えた。

 

 

 

本編/【さいごの出待ち】

後述します。

 

【社内恋愛】

「かっわいいよぉなあ~」のキモつかみから、ちょっとずつちょっとずつ情報が小出しされて、口説いてた女が部下と来週結婚することを知る。しかもほかの社員は知っている。。。最悪だけどちょっと可哀そうで笑える。社長の息子という属性を彼はうまく扱えず、可哀そう…可愛いな………

これはエッセイも秀逸。ちなみにライブ前は特に買う予定なかったので持ち合わせがなく、その場で友人に借り、現ナマ握りしめて列に並びました。

 

【環境】

自分にバチンとハマったのはこのコントから。
最高の環境に身を置いてしまったため、怖くなり距離を置こうとする高校一年生男子、客観視ができすぎている。よく「過ぎ去ってからあのときの楽しさに気づく」と大人は言うが、使われすぎている表現のせいで渦中の本人も気づいている。その状況を打破してくれるのはやっぱりギャルなんだよ!!!!!!!!!!別に作中で女子たちがギャルという描写はないけど、絶対りなはギャルだろ…ギャルであってくれ…「え?これからずっと楽しいよ!」「ウチらずっと一緒じゃん!」ってギャルりな言ってくれ…それで大学は別々になって、ちょいちょい集まってたけど就活期くらいになんとなく疎遠になってくれ。「だから言ったじゃん」って泣いてくれ。

「ずっと」って、「ずっとって思った一瞬」だから「ずっと」はシュレーディンガーの猫と同じです。だから「ずっと」って言うことに私はひどく肯定的だ。契約じゃなくて約束なんだから。

楽しすぎてキレる人間が好きだから見ててずっと楽しかったし、笑ったし、うれしかった。

 

【剣道の大会】

女4人でライブを見た後居酒屋へ入り、感想を好き好きに話したが、これは意外と意見が分かれて面白かった。

「とにかくキショい」とキモさ以外の感情を失った私、「こいつが逮捕されないのはおかしい、日本はロリコンに食いつぶされるんだと思った…」と将来を憂う友人、「気持ちはわかる、ハロヲタはだいたいあんな感じ」と語るハロヲタ女。

ちなみに「あの管理人もなんなんだ」には「本業剣道オタク・副業ロリコン」と友人が言い放って爆笑した。三十歳フリーター男は本業がロリコンらしい。

剣道の技は分からねえのになんで2年前のインスタのストーリーズは覚えてるんだよ、ていうか「ちゃっちゃっちゃ!」って動きまで分かるなら技覚えられるだろ解像度は普通に高いじゃないか、竹刀を「竹の棒」と呼ぶのがなんらかのメタファーっぽくてキモい、性癖を求めて突進している。やばすぎて途中何度か目をかっぴらいた。
めちゃくちゃキモイが、こいつは純粋に性癖を全うしているだけなのだ。その姿は別に他ジャンルのオタクとなんら変わらない…というか、延長線上にいると思う。でもキモイもんはキモイんだよな。

エッセイに『「キモイな~」と笑い飛ばしてくれればいい』と書いてあったので今安心して連呼している。ツッコミでこんだけの分量書けるんだから面白かったです。きめえ~~~!!!!!

 

【迷い猫】

すっきりしたショートショートだけどすごく面白かった。ディティールがすごくいい。エロ垢を2016年から使用しているところもポイント高い。エロ垢だけど迷い猫がどうなったか…とスクロールする。エロと切り離せない何かが出てくるんだなと身構えていたらすぐ見つかった猫の画像が出てきて爆笑した。

本公演は基本どのネタも、後日譚的なセリフが暗転中に挟まれる。アカウント名「ami_ero1230」について「ami_eroはもういたんだね」はそうなんだけど、「1、2、3もいたんだね、1230はいなかったんだね…」と言っていて、え!?誕生日じゃないの!?と思って笑った。レッドブルつばささんなら誕生日って分かってそうだけど、わざとなの? 気になる。

 

【タイミング】

ド直球「ヲタク」ネタ。プロポーズと推しコンビのM-1落ちの悲報でバランスが取れなくなっているヲタク。

「なんでどっちも好きじゃ駄目なの?」
「私を幸せにしてくれるものは多いほうがいいでしょ!」は良すぎて拍手したかもしれん。

暗転中、後日譚として「ワイルドカードおめでとうございます」と彼女が芸人に(出待ちかなにか?で)伝える。その裏にプロポーズや彼氏の努力と悲しみがあることを芸人はきっと知らない…それが珍妙で面白く、ちょっと切なくて良かった。
ヲタクがヲタクすぎるから別れる、みたいなことがこの世にままある中で、こういうネタがフィクションであろうと存在していることは嬉しい。

 

【元芸人】

友人と「うちらで先輩をハッピーエンドにさせる二次創作をするしかない」と話した。軽くリレー小説になりかけたくらい、感情も持っていかれたネタだ。

女4人の居酒屋感想会話
「あの先輩がハッピーになれるBLはうちらで書かなきゃいけない」
「また始まったよ、創作癖が…」
「すぐ本を出そうとするから…」
「夏コミで出そう…」「出そう!」
「何冊売れるんだよ」
「(うちらいるから)4冊は売れるよ♪」
「家でやれ」

※二次創作の話です)先輩は会社を辞めるか?には辞めないが3票で、私だけ「辞める」だった。「病んで会社を辞める。適当に流したTVから元相方が出てる番組が流れる」って言ったら一番ひどいのはおまえだ!と言われた。ハッピーエンドの布石だから許されたい。

「会社での面白いって元気だから」「上司が笑うとその場がウケたってことになる」ってセリフは秀逸。何を求められているかって悲しい話がコメディになるからすごい。会社で求められていることをやる先輩の言う「君の上位互換が俺だ。もしくは下位互換だ。上か下かは、何を大切にするかで決まる」は今回の公演で一番好きなセリフだ。対であり、どちらもどちらかになれない。

常々、「面白いこと」と「感想を書けること」は単純に比例してないなと思っている。このコントは上手く感想を書けないけど面白かった。二次創作なら書けるのにね…

 

【活動家】

感想を言う女たち「あれは野ざらしの化け物」「真の悪だよ」「悪意がない悪が一番の悪」「社会の脅威」
女子剣道オタク三十歳フリーター男と同じくらい流ちょうにけなす言葉が出てきた。それだけサーチ力あるならパパ活くらいヒットするだろう、分からないふりをするんじゃないぞ!と心の中で胸倉をつかんだ。

友人「(パパ活を)親孝行と言った時点で勝敗が決まってた」

ちなみにもともとゲラの友人が、途中笑いすぎて声を押し殺していたらしい。暗転中の後日譚辛ダブチは友人たちが笑いすぎたせいで長くしてくれてる?と思うほど壊れそうに笑っていた。

 

【どっち!?】

だいたいどのネタも「これどこにたどり着くんだ…?」が多いんだけど、その極みだった。人間が一人で過ごす時間の演技は演劇でも大好きで、デリヘル呼んだあとの一人時間も同じ楽しさがある。
どかどかと登場人物が増えて、どこに着地するか分からなかったので「俺が全部終わらせる」で大喜びした。お前しかいない、終わらせてくれ~!!!!!!!
これこそ「後で考えたら青春だったな」になりそう。ショートムービー取れちゃう。
エロが50%にシュレーディンガーの猫やることないからこの状況作り出せたのすごすぎ。

 

【さいごの出待ち】と【一生LOVE宣言】

ここからは自分の話多め。
私はジャニーズファン歴が長かったり、人生の中で何かにハマることが多々あった。そうするとファン哲学はいよいよ凝り固まってくるし、自分のためにしかならない信条も増える。

「一生好き」は自分は使わないしよく分からない。「明日のこともよく分からない」という思考が強すぎて、一生好きって感情が芽生えてこない。「今この瞬間すごく好きだと思った」が一番正確で、それを伝えるために言葉を選ぶことはあっても5年後、10年後、自分や相手がどんな人間であるかも分からなくて確信を得られない。だから根本的によく分からない。
なのに、私が考え抜いて、一番正確だと思った表現に「一生好き」は簡単に負ける。正確な表現なんて自分の感情に誠実なだけで、言葉が伝えることで意味を成すのなら「一生好き」のほうがよっぽど良いものらしい。
だから言っちゃえばいいんだよ。嘘が悪者なら私はもう何もしゃべらないぞ!!!!
みんな今しか生きられないくせに過去や未来なんて人間が定義したものに縛られやがって…物語の見過ぎだぞ…

 

また、迷いがあるオタクから「一生好き」類いの言葉を呪いなのではないかという話もよく出る。
うるせ~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!である。
もし自分の好きな演者が好きっていう人がいるから辞められないと言うのであれば、じゃあ好きってもっと言ってやるからな!と思ってしまうので、結構考え方の違いを感じる。辞めたって辞めなくったって私が今この時間(アイドルや任意の演者の名前)が好きでいるのは事実だからな!信じなくてもいいから一回頷け!
相手が望むことなんか親しい間柄ですら分からないのに演者とファンが分かりあうなんか無理で、そのくせ妙に分かってしまうときがあって、でも信じるに足れず正解が分からない。だったら(相手が嫌がることはしないという前提のもと)言いたいことを言えばいいのに。
呪いだろうが、解く力は自分も相手も持っているような気がしている。というのが私の凝り固まったファン哲学だ。

ミュージシャンが死後、自分の出棺出待ちしているファンを見る姿はハッピーエンドBLすぎて笑った。コミュニケーションのもと、あるいは偶然や相性のもと、どんなめちゃくちゃでもハッピーエンドで、最高だった。

 


あとがき

見る前、エッセイをあと5000字読みたいと思ったけど、ライブ後その欲が消えたのは、ネタがその部分を担っていたからだ。(この話はサビなので何度目かの話だけど)私は短歌が好きで、枡野浩一著『かんたん短歌の作り方』をバイブルとしている。本作の中で「それは本当に短歌で表現すべきなのか?」と漫画家が詠んだ短歌にコメントをしていた。ブログなのか、手紙なのか、絵か写真か、短歌か。この世にごまんとある表現の中でどれを選ぶのが一番良いのか。レッドブルつばささんで言えばそれがネタなんだろうなという感想を抱いた。

 

~~~~~~

 

ブログ内で「女4人」と称した友人たちは数年前からたびたび集まってはいろんな遊びをしている。闇鍋、キャンプ、ゲーム、ディズニー、塩会、ピクニックなど、思いついたものはすべてやっている。全員オタクと呼んで差し支えない程度に何かにハマっているので、ハマっているものをプレゼンする会もたまにある。今回はそれが芸人にハマった同居人だった。

ただ我々は本当に何をしゃべったかよく忘れる。闇鍋のときなんか4杯食べたのにほぼ全員が鍋の中身を忘れ、スマホを見返したら鍋に大根を突き刺すというパンチの効いた写真が出てきたこともあった。4人中4人が写真を見るまで忘れていた。

なので定期的に「写真や動画を撮ろう」と言っていたことと、同居人が「みんなの感想をまた聞き返したい…!」ということで飲み会を録音した。

せっかくだからその会話を元に感想動画作ったので載せます。(字幕はあきらめた)

 

 

短歌を詠むときの脳みそ編

綴さんに誘われ相互題詠をしました。

 

短歌

短歌を詠むときの着眼点と、どんなふうに言葉を変えたりするのか可視化したいなとずっと思ってたので、一連の流れをまとめてみました。

ちなみにお題は「身体」です。アイドルと自分を考えるとき身体性の優先順位が低いので、全てアイドル短歌にするのは早々にあきらめました。綴さんは私の醜い…グロテスクな部分もわりと好んでいるようなので、性的なものも含めながら「身体」と向き合いました。もうひとつ、勝手に「よく使うワードをできるだけ使わない」という縛りを設けました。(後述します)

 

ちなみに私は普段
1、詠みたい思想・風景を決める
2、言葉を出す(57577はあまり気にしない)
3、入れ替えたりいじりまくって整える(たまに諦める)
4、完成!
(時折5、さらに修正する)
という流れです。よくあるやつ。たまに先に言葉が出てくるときもあります。

 

 

1、釈迦は手を差し伸べなくてズルいって本気で喚く人と生きてた

スタート:
Apple Musicでおすすめを聞いていたら「釈迦のてのひら」が流れてきて、ふと加藤シゲアキソロ曲「あやめ」、および芥川龍之介の『蜘蛛の糸』を連想した。

空から落ちる蜘蛛の糸んなもんいらねえ飛んでやらあ

加藤シゲアキ(NEWS) あやめ 歌詞 - 歌ネット

釈迦は手のひらを差し伸べなくて、蜘蛛の糸を落とすだけなのってすごくいい身分だよなって(相手は釈迦だよ?)思う。人間じゃないからか。

SUKISHA / 釈迦の手のひら (Buddha's Palm) - YouTube

 

【釈迦が差し出すのは手の平じゃなくてズルくね?】
とりあえず言葉を出してみる。もっと切実にしてあげたい。「手の平を差し出す」は言葉としてちょっとおかしいな…?

 ↓

【釈迦は手を差し出さなくてズルいって君は本気で喚いていたね】
愛おしい。しかし「君」は私がよく使うワード(以降「手癖ワード」と呼びます)なので、変えたい。77を検討します。

 ↓

【本気で喚く深夜二時半】
深夜二時半。これはほぼ手癖ワード。
【本気で喚きゃ生きていけるよ】
誰目線? これじゃまるで自分が釈迦だ。

 ↓

【地獄で喚く人が生き抜く】
だから君は生きられるよ、という思いもあったが、これじゃ相手(「人」)が他人過ぎて寂しい。もっと距離を近づけたい。

 ↓ 完成形

【釈迦は手を差し伸べなくてズルいって本気で喚く人と生きてた】
どんな人が好きだったの?って聞かれたときにこう答えられたら素敵だなあという感情を込め、この形に決めました。

 

 

2、ヒトの人らしいところは臍だから隠しちゃうけど解剖するね

 

スタート:
「身体」をテーマに短歌を詠むんだよね~と友達と雑談しているとき、「美術解剖学をやってたとき、『臍の上が一番人間らしくないからそこにメスを入れる』と聞いた」「人間が一番人間らしいところは臍」と言われ、何それめっちゃええやんと短歌にすることを決めました。

もうひとつは普段からよく自分が「はらわた」というワードを使うから。考えていることや心情、深いところを「はらわた」と呼んでいます。(周囲は「脳みそ」と呼ぶ人のほうが多い。どっちも使うけど、「脳みそ」は勝手に見られているイメージ、「はらわた」は自分の意識が残っている状態です。目が合います)

 


【へその上からゆっくり割いた】
まずは77。相手を解剖…および深いところに触れていくイメージ。

 ↓

【人間と分かっちゃったらできなくておへそのことをゆっくり隠す】
【人間と分かっちゃったらできなくて君のお臍をゆっくり隠す】
「できない」のは解剖なんだけど、伝わらない。また手癖ワード「君」登場

 ↓

【へその上らへんの肌に点線を】続かなかった
【ヒトが人らしくないのは臍の上と教えてそこをゆっくり裂いた】
悪くないけど、裂いたら殺しているみたいだ。
【ヒトの人らしいところは臍 君がまだ何者か確定できない】
はらわたや解剖関連のワードが入ってないので、伝わらない。
【ヒトの人らしいところは臍だから隠して割いて綺麗に分けた】
【ヒトの人らしいところは臍だから隠しつつもしっかり割いた】
やっぱり「解剖」を入れないと伝わらない。「綺麗に」も「しっかり」も余った音を埋めてるだけでもったいない。

 ↓ 完成形

【ヒトの人らしいところは臍だから隠しちゃうけど解剖するね】
途中で「ごめん」を入れようか迷ったけど、隠す時点でためらいは表現できているのでやめました。解剖までするほど興味があるくせに、人として見るには覚悟が足らない。欲望の短歌です。

 

 

3、色欲を空っぽにしてデザートに首の後ろの筋を頂く

スタート:
身体テーマならやっぱりカニバリズムっしょ! カニバリズムはたびたび愛情表現として出てくる。なのでどこが一番おいしいかな~ふくらはぎの後ろかな~と思っていたら、同友人に「私なら首の後ろの2本の筋。よく幼い弟のを食べてた」と言われ、説得力がちげえよ…と泣きました。

 

【仕方なくザクロで我慢してるけど首の後ろの筋を食べたい】
ザクロって私の中でいやらしさとグロテスクさの象徴なんですけど、調べたら人肉ってザクロの味がするらしい。そのまますぎるのでザクロは却下。

 ↓

【幸福なひと空にして眠らせた首の後ろの筋を頂く】
【幸福なヒト空にしてデザートに首の後ろの筋を頂く】
より情景を具体的にしました。どんなときに首の後ろの筋を食べたいだろう?と自分に問いかけてみる。
空(から)にして…空っぽにして。全部出してもらって。「眠らせた」は収まりが悪くデザートに変更。「食べたい」ではなく「頂く」にし、さらに仄暗くしました。イメージは深夜、雨、ベッドの上、モノクロ。「幸福なヒト」は行きずりの男をイメージしましたが、「ヒト」がさっきの短歌と被ってしまった。近い表現を探すも挫折(そもそも「幸福なヒト」が行きずりの男なことがイメージしづらい)(ひと→ヒトはより他人感を出したのですが、伝わらない)

 ↓ 完成形

【色欲を空っぽにしてデザートに首の後ろの筋を頂く】
素直に「色欲」まで短歌にすることで「空っぽ」の意味を補強。ことが全部終わったあと、相手はもう寝ているのでしょう(首の後ろだから)。さっきまで行きずりの人だったのに、無事デザートにしたいくら好きな人になりましたね。良かったです。

 

 

4、風邪のたび葱をきざんで飲み干せばあの日々だって細胞になる

スタート:
昔読んだ漫画に「家事をやらない彼氏が麦茶だけ自分で作ってて、元カノの影響だろうなと思う」という描写があり、強く印象に残っている。自作短歌の「気づいたら使い慣れてる口癖は特別だった君の痕跡」も同じで、もう今は一緒にいない人でも、好きじゃなくても、「影響を受けた部分」だけが残り、気づいたら自分のものとなっている…というのに人の過去とままならなさを感じて好きです。風邪で葱を食べるのは実話ですね。同居人に「なんで薬じゃなくて葱食べるの?」と聞かれてびっくりしました。今はもう葱じゃなくて薬飲んでます。

この推敲は長かったです。こね…こね………

 


【風邪には葱がいいと言われたことを思い出してしまうまだ治らない恋】
【ネギスープ風邪のたびに作ってて底にあるのは治らない恋】
とりあえず言葉を出す。「風邪」と「治らない」「恋」がかかっているのはいいけど57577に綺麗にまとめられず、いったん却下。【底】も記憶と葱にかかってるんだけどなあ…

 ↓ ここから地獄

【風邪を引く葱を刻むといいんだと】【ひきはじめにはネギがいいって言ってたね】【記憶の底に治らない恋】【風邪をひくたびにネギの刻んでて記憶の底に治らない恋】【喉風邪のたびに葱を刻んでて】
風邪に葱がいいと相手が言ったことと、もう終わっていること両方がなかなか綺麗に入らない

 ↓

【ネギスープ風邪のたびに思い出す呪いみたいに治らない恋】
【治らない恋だ葱をきざむたび喉にいいって呪いかけられた】
【喉風邪をひくたび葱をきざんでる記憶の底に治らない恋】
悪くない。手癖ワード「恋」から離れられないかと思い、さらに推敲。

 ↓

【喉風邪をひくたび葱をきざんでる記憶の底で君は得意げ】
【喉風邪をひくたび葱をきざんでる記憶の底に治らない日々】
ここでテーマが「身体」なことを思い出す(!!!)

 ↓

【ネギスープ風邪のたびに飲み干せばあの日々だって細胞になる】

 ↓ 完成形

【風邪のたび葱をきざんで飲み干せばあの日々だって細胞になる】
この二首で悩んだけど「ネギスープ」は文章が切れるので「風邪のたび~」を選びました。「呪い」「治らない」よりよっぽど力強い、過去を過去として生きていける短歌になって良かった。

 

 

5、空を飛ぶような感覚味わって明日へ移植される脳みそ

スタート:
テーマは身体→脳みそを詠みたい→脳みそが夢を見る?→→→明日の身体に移植されるときに見てる光景を「夢」って呼んでいるのかな~(なんでここにたどり着いたのかは覚えていない。何かしらの視点を変えようと努力していたような気がする)

【味わって明日に移植される脳みそ】とりあえず577
【眺めつつ明日に移植される脳みそ】同上何を味わっているんだろう?

 ↓

【終点の銀河遊泳味わって明日に移植される脳みそ】
終点の銀河遊泳、とは??? ここで人間がよく見る夢第一位は「空を飛ぶ」と知る。

 ↓ 完成形

【空を飛ぶような感覚味わって明日に移植される脳みそ】
素直な形にした。「明日へ移植される脳みそ」だけずっと変わらなかった。

 

 

6.ひとりでは足らないパズル持たされて産まれてきたから鍵を渡した

スタート:
アイドルはピースで、グループは枠である…という思想がずっとある。人間はパートナーや友達を作らなくとも生きていける。アイドルはソロでも活動はできる。でも誰かと共に生きてみること、グループを選ぶこと。それは自分の欠けた何かを埋める行為に近い…という考えから、他者を求める人間はそもそも欠けているのではないか。というふわふわしたところからスタートした。プラトンの人間球体論も思考の後ろ側にありました。

 

【欠けた体で産まれてきた】
最初に浮かんだワードだけど、これでは四肢が少ないイメージを持ってしまう、意図と違う言葉選びですね。余談だけどこういうマジョリティの傲慢さは出ないように気をつけてます。

 ↓

【パズルを埋めるため歪な心で産まれたんだよ】
ぴんとこない。何かが足らないこと≒パズル は悪くない。

 ↓
【最悪だひとりで完成できないパズルを埋めるため歪な心で産まれてしまった】
【ひとりでは足らないパズル持たされて産まれた マジか】
とりあえず言葉出しの時間。「ひとりでは足らないパズルを持たされて産まれてきた」という、自分ではどうにもならない感覚があって良い。神様最悪くらいな感情。じゃあそう産まれて、どうするのが一番最初の思考を出せるか。だからそばにいて、ひとりにしないで、あなたが埋めて、という切実さが欲しい。

 ↓ 完成形

【ひとりでは足らないパズル持たされて産まれてきたから鍵を渡した】
鍵を渡すことにしました。一緒に生きてほしいです。この短歌だけ明確に身体ワードがないけど、全体が身体という、四角でも丸でもない変な(私は人間の体は変だと思ってます)形を詠んでるのでOK出しました。


最後に短歌を並べてみる。
「身体」に対しての捉え方が如実でびっくりした。アイドルに限らず、そもそも身体の実感を普段持つことが出来ない、だから「相手」がいてようやくそのことに気付くんだなと思った。触れてるときしか自分の身体に気付けない。関係性の始まりも終わりも詠んでるけど、始まりを最後に持ってくあたりも手癖です。いろいろあったけどもう一回始めてみるところで終わる物語って良くない?「空を飛ぶ~」だけほかの違うので、起承転結の転くらいに当たる5首目に持ってきました。これも手癖、仲間はずれはそれくらいがいい味を出してくれる。

 

案出しの段階にはいたけど短歌にならなかったやつもメモに残ってました
→ 「宇宙人との恋は腕がニョキニョキ二本生えてて気持ち悪いと別れを告げられ終わった」
やっぱり人間の体って気持ち悪いなって思想が出ました。なんで腕って二本なんだろ…

 

 

 

 

たまに短歌ってどう詠むの?って聞かれるけど、考えて詠むだけです。特別なことしなくていいからインプットして、特別なやり方しなていいから詠んでいくだけ。(ここら辺の話は木下龍也さん著作「天才による凡人のための短歌教室」のほうが鮮明に描かれているので、ぜひ)

推敲してくときは、視点を変えてみる。猫を見てる自分を描くのか、猫から見た自分を描くのか、自分が言いたいことを相手に言わせるのか、相手はなんて思うのか、延々と繰り返してく。でも結局言いたいことが言えないこともごまんとある。「風邪をひく~」ももっと上手く言ったあげたいから、また同じテーマで詠んでしまうだろう。
そうやってずっともがける楽しい遊びが短歌なんだと思う。

 

手癖ワードを無しにしたのも遊びの一種です。正確に言おうとすればするほど、気づけば手癖で選んじゃう。悪くないけど自分の世界から脱出できない、もっと伝わる短歌になってほしい…もがく。

たまに自分が気持ちいいので、備忘録のような伝わらない短歌も定期的に詠むけど、でも結局伝わらないともったいない。

鮮明な感情や空間、思想をまさぐる。感情を撫でて、ぶつかる場所から輪郭をなぞって、捕まえられる言葉を探す。

それを何遍も繰り返していくのが楽しいから、短歌ってサイコー。

新クトゥルフ神話TRPG「カタシロ」布教ブログ

 

Twitterでカタシロに狂ってたら「カタシロってなんですか?」「風林のカタシロおすすめ回ってどれ?」などなどいただいたのでブログにまとめます。カタシロが好きというパッションだけで書いています。

・風林のおすすめ動画聞きたい!カタシロの感想を聞きたい!という方は飛ばして3~4へどうぞ。
TRPGよく分かんないし今後もやる予定がないやという方も3以降へどうぞ
・最後のほうネタバレありで書いています(ワンクッション置いてあります)。カタシロ本編を知らない方、これからプレイする方は注意してください。
・カタシロプレイしてみたいよ~というフォロワーはお声がけください。説明+プレイで2時間程度です。

 

 

1.カタシロってそもそも何?

booth.pm


カタシロとは、新クトゥルフ神話TRPG(※略称 新CoC)の"シナリオ名"です。

〈あらすじ〉
探索者(主人公キャラクター)は、目が覚めると病院にいた。
医者が言うには、雷に打たれたらしい。
それ以前の記憶は、失われている。

私がカタシロに狂っているのはこの"シナリオ"が素晴らしく、
いろんなカタシロの主人公を見たいからです。
ちなみにこのカタシロは舞台化もされています。

 

2.じゃあクトゥルフ神話TRPGって何?

めちゃくちゃ簡単に説明をします。正確に説明するのは難しいんで、イメージ湧かないや~って人はそのままスルーしていいです。慣れです。

まず、TRPGとはテーブルトークロールプレイングゲームの略称です。
トーク、そしてサイコロ(以降ダイス)でゲームをしていきます。
KP(キーパー(情報をキープしている人)、もしくはGMゲームマスター)とも呼びます)の状況説明に従い、物語を進めていきます。

ちなみにシナリオというのは、ゲームのハード・ソフトで言うところのソフトです。「カタシロ」はソフト名に当たります。  

 

イメージとしてはノベルゲームに近いですが、私が魅力だと感じるのはその自由度です。
 例えばゲーム内で「告白」をしようとします。TVゲームならゲーム制作者側が綴った言葉で告白しますが、TRPGは自分で言葉を選び、紡ぐことができます。
例えば怪物が登場して貴方の手には包丁があります。刺す・刺さないを選ぶことができますが、あなたはその前にまず「怪物を説得したい」と思えば、その通りに行動ができます。自由に、貴方だけの物語を体験することができるのです。

ただし、シナリオの内容を知ってしまうとプレイできなくなる性質上ネタバレ厳禁です。シナリオ本編を語る場合は、ふせったー等を使ってネタバレは控えていただくようお願いいたします。

 

また、なんでも自由にできるわけではないです。TRPGのルールにのっとり…このルールが若干複雑ですが…リプレイ動画(ゲーム実況のようなものです)を見る前に知っておくといいなと思う知識は「ダイスロール」です。ダイス(サイコロ)を振ります。ダイスを振っていろんなことが決まります。
 例えばクトゥルフ神話TRPGの場合は主人公である、あなたが操作するキャラクターの能力値もこのダイスロールで決まります。どのぐらい頭がいいかとか、体の大きさや精神力も。
 ほかにも、このダイスロールで”成功”と”失敗”が決まります。
 例えば怪物の攻撃を避けたい!と思ったら10面ダイスを2回振って1の位と10の位の数字を決めます。01から100までの数字が出ますね。そしてあらかじめ決めてあった技能値が仮に50だとします。(技能値がどのようにして決めているかは長くなるのでこのブログでは省きます)
01から50が出たら成功です!やった!怪物の攻撃を避けられたぞ!
51から100が出たら失敗です。うわあ!避けられなかった!ダメージがを受けるぞ!

こんなふうにあらゆることはダイスで決まります。今まで何度頼む…!と思いながらダイスロールを振ったかは分かりません。KP自身も祈ることもしばしばあります。死なないで城之内!それって結局自由なの不自由なの?よく分からない?慣れです。

 

ちなみにTRPGの中にもさらに種類があります。私はクトゥルフ神話TRPGしかやったことないのでどう違うの?と言われてもうまく言えません…クトゥルフ神話TRPGは名前のとおり、クトゥルフ神話を元にしています。コズミックホラー。人間では太刀打ちできない恐ろしい神話生物に出会ったり、神話生物が裏で手を引いたりしています。(クトゥルフ神話に詳しくなくてもプレイできます)

まあ、実際のルールはもっと複雑ですが、まあとりあえず細かいことはいいんだ。みんな最初は初心者、慣れです。

詳しくはこのサイトが分かりやすいかな~と思いました。ただ、詳しくない方は取りあえずプレイ動画を見てみるか、周りにやってる友人がいれば一度遊んでみることをお勧めします。

www.inside-games.jp

 

 

 

3.カタシロおすすめ回

カタシロはTRPGですが舞台化しています(カタシロRebuild)!!!!
こんなに頑張ってTRPGの説明したのに舞台動画メインにおすすめしてます!なんで?でも面白いんだもん目の動きとかすごくいいよ…

動画冒頭に説明がありますが、主人公(マコト役)はこの物語の内容を一切知りません。エチュードみたいなものだと思えば分かりやすいかも。ちなみに感想はふせったー等の利用をお願いします。ネタバレ・ダメ・ゼッタイ(まだ風林が見てない動画もあるので、おすすめは今後増やすかもしれません)

 

 


*初見におすすめ回

 

・ペレ夫さん回

私がカタシロに狂った元凶。優しく穏やかなマコトの選択。理解する間、理解できないという間、考える間、動く視線がすべてリアル。この回を超えるラストシーンはない。

www.youtube.com

 

 


・なな湖さん回

主人公属性なな湖さん。前半はコミカルに、後半は熱く、時に弱く、答えを見つけていく。

www.youtube.com

 

 

 

 

*いろいろ見たら見てほしい

・ズズさん回

初期SAN値(正気度)が低く、すぐ混乱する弱虫なヒーローの物語。

www.youtube.com

 

名越康文先生

精神科医の名越先生回!頭も口もとにかく回る!
マコトはこの物語に何を見出し、どこへたどり着くのか、何を信じているのか。

www.youtube.com

 

空気階段・鈴木もぐらさん回

カタシロギャグ回。カタシロでここまでギャグになることある?

www.youtube.com



・カタシ?ロ CaseX:ディズム

 カタシロ作者であり、たくさんのKPを務めたディズムさんが主人公です!!!カタシロを知っているからこそのざわざわ感を味わえます。(必ずカタシロプレイ後、もしくはプレイ動画を見た後に視聴をお願いします)

www.youtube.com

 

 

 

 


4.カタシロの面白さ

 で、結局何が面白いの?って言われると「人の数だけ答えがある」というのを目の当たりにするからかなと思っています。

 本編はだいたい1時間程度で済むのですが、同じ回はない。また、シナリオ自体自由度が高く、KPとしては各主人公に合わせてアドリブできるのも楽しいです。


以降はネタバレ込みのカタシロ雑感です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優しさや、倫理ってなんなんだろう。

私が「カタシロ」をプレイしたとき、自分の体を譲ることはできなかった。
ただシリンダーを見た瞬間…戸惑いながらも直感で「真実を告げない」ことにした。本当のことを告げたほうがいいのではないかと思ったのに、反射的に言えなかった。それが優しさなのか、倫理なのか、いまだに分からない。

 

 カタシロという対話シナリオは価値観、倫理観、優しさの形、自分という存在をあぶりだしていく。
 KPとしてカタシロをやる回数を重ねると、どんどん医者に感情移入してしまう。助けたい、こんなこと間違っている、目の前に欲しくてたまらない身体がある…医者は責められることもあれば、優しくされる回もある。どちらの行動も源にはおそらく子供を思う気持ちがあって、カタシロはそれに真正面から触れることができる。

時にはラストシーンで子供を起こし、選択を迫るという主人公もいる。それを惨いと言う人間もいる。子供の選択を聞いてなお揺らぐ人もいる。

主人公たちは、やがて答えを出す。迷いながら言う人も、間違っていると思いながら言う人も、清々しい気持ちになっているであろう人もいる。

 

正解はない。いや、あるいは選んだ選択が正解にしていくしかないのだろう。

 


以上で新クトゥルフ神話TRPG「カタシロ」布教ブログ終了となります!お疲れ様でした!クリア報酬は1d10のSAN値回復となります。

 

NEWS四部作短歌連作4tours ~STORY編~

f:id:whynot4696:20210610232502j:image

NEVERLAND:鷹野しずかさん (@sz_uta)
EPCOTIA:綴さん (@penguincawaii)
WORLDISTA:志佳子さん (@yaki29utaaa)
STORY:風林

 

 鷹野さんのお誘いで企画「NEWS四部作短歌連作4tours」のSTORY担当として参加させていただきました…素敵な企画に誘っていただき本当に嬉しい…
 このブログでは自作短歌のメイキングを。
 ちなみにコンサート以外に特に縛りはなく、4人それぞれがそれぞれのコンサートを思い出せるような短歌をテーマにして詠みました。

 

 

STORY

f:id:whynot4696:20210610232523j:image


「作風的に私はSTORYじゃね? 直近のコンサートだから熱量も高いし詠みやすそうじゃない?」と思い(もちろん他との兼ね合いもありましたが)STORY担当になりました。作風と熱量はそうなんだけど、詠みやすさは無かった!笑

 STORYって、人生ってそれでも続いていく物語だね、だから大丈夫、進んでいこう…という概念であり、分かりやすいアイテムがあるわけじゃないので象徴となるワードで迷いやすかった。ただ、そのぶんNEWSがいつも歌ってくれることを詠めばいいという安心感はありました。

 いろいろ悩み、STORY発売当初よりもアルバムを聞き込みSTORYのレポを読み返した。STORYも最高のアルバムです。

 

誰しもが無謀と呼んだ崖で見た夢のゆくさき2020

 合計4首ということもあり、起承転結の「起」を何にするか考え、STORYコンサートのOP、絵本のような映像のプロローグ部分「誰しもが無謀だと言った」の場面を引用しました(※円盤発売前のため文言は曖昧ですが)。あのシーンで毎回泣くから。無謀と言われても諦めなかったNEWSくん…好きだ………
 STORYコンサートを行ったのは2021でしたが、タイトルを「2020」にしたNEWSがとても好きなので、2020というワードはどこかで使いたかった。
 誰しもが無謀と呼んだ崖からようやく2020年へたどり着く。あの日見た、誓った、想像した夢。「夢のゆく果て」等の候補もあったけど、これは果てではない、つまり終わりではないなという気持ちを込め「ゆくさき」を採用しました。

 

旅人が伸ばすてのひら「何度でも歩き出せるよ」にぎりかえした

 最初に完成しました。「何度でも」の短歌です。特定のアルバム曲の短歌は入れようと予め決めており、手癖で「何度でも歩き出せるよ 旅人が伸ばす掌握り返した」を詠んでしまい、もうこれしかないじゃん…となった。「何度でも」が好きすぎる。(転=3首目で「エス」を詠むのもありだと思ってたけどエス短歌詠む自信もないままこの短歌が先に爆誕してしまった)
 伸ばすてのひらを握り返す…というのは私のアイドルに対する心象風景です。個人的すぎるかなと思いつつ、いつか詠むか今詠むかの話だったのでそのままGOしました。
 その後、漢字をひらき、語順を旅人と自分が言葉を通して繋がってゆくようにして整えました。「何度でも歩き出せるよ」は旅人が言うようにも自分が言うようにも解読できる(あるいは旅人=自分自身でも良い)。どちらにしても「にぎりかえした」ので気持ちは同じです。

 

交差する揺らせる光る鳴らす熱届いて聞いてこのサイレンス

 動詞が多すぎてうるせえ~~~!!!とは思う笑 でもラストがサイレンスなのでこの形に…かなり悩みました。
 コンサートSTORYで切り取りたい瞬間はどこだろう?と考えたとき、「俺たちの名前は?せーの!」のあとに起こるあの無音だと思った。可能であればコロナ禍のコンサートであることも含みたいと元々思ってたので、真っ先に「サイレンス」というワードを採用。
 揺らせる→心臓や身体、光る→ペンライト、鳴らす→拍手、熱→そのまま。発句はなかなか決まらず、一瞬「会う」をイメージできるワードを探したのですが、今回は配信だけの方もいるだろうと思い、広義な言葉として「交差する」にしました。

 

~ここからは余談・推敲編~
 「サイレンス」は最初発句でした。

・サイレンス叩くてのひらペンライト揺れる心臓届いてyell
 →てのひらが2首目と被る、直接的すぎるか?

・サイレンスひかる揺らせる鳴らす熱 迷わず届け希望とyell
・サイレンス揺らせるひかり鳴らす熱 一直線に届けよyell
 →希望yellにかけてるけどサイレンスが弱くなっていないか?

・yell鳴る揺らせる光る迷わずに走って届けこのサイレンス
 →いちばん伝えたいことを結句に持ってくという技をやるも、もうぐちゃぐちゃ

・交差する揺らせる光る鳴らす熱届いて聞いてこのサイレンス
 →希望yellの要素を消し、ここで完成形に。

 

 

人生は果たして続く物語 夢抱きしめる君に幸あれ!

 ラストも最後まで悩んだ。この形になりましたが、私なりの「NEW STORY」短歌です。
 やはりラストは「NEW STORY」であってほしい。そのまま歌詞を引用するのではなく、私の言葉で詠むとどうなるんだろうと「NEW STORY」を聞きまくりました。加藤さんのライナーノーツを読み、これは「自分(きみ)の物語」で、NEWSが私たちに向けた曲なんだな…とあらためて嬉しい気持ちを抱きつつ、言葉と概念をこねこねしました。
 「人生は果たして続く物語」が先に出来上がり、じゃあこの短歌をどう落としていくか。
 人生が続くこととNEWSが続くことってまったく別なんですよね(ここが今回の激ムズポイントだった)。仮にNEWSが終わっても各々の人生は結局続いてく。それでもNEWSという夢を抱きしめてくれる君がどうか幸せでありますように…というNEWS宛の短歌であり、NEWSがいつも私たちにくれる勇気の短歌。もちろん君=ファンでも良い。
 「抱く」でも「抱える」でもなく、「抱きしめる」なのは、そこに叶わなかった夢もこれからの夢も両方あるだろうな~という言葉選びです。
 手前みそですが四部作ラストの結句に「希望~Yell~」を持ってこれたことにとても満足。ちなみに「!」は提出直前に付け加えました。叫びたくて。


 お誘いいただいた鷹野さんにデザインしていただき、こうしてひとつの素敵な作品になれたことに興奮しています…
 作風的にこの人には〇〇コンサート担当してほしいな…と内心思ってたのが(偶然)全員そのままやれたのも個人的にテンション上がりました。
 また、4首並べたときそれぞれが影響しあってて面白い。例えば綴さん(EPCOTIA)と私(STORY)の短歌では1首目に西暦が登場し(四部作表題曲「EPCOTIA」「STORY」それぞれに西暦が出てきているという理由もあるけど)偶然の対比となっています。
 ほかにも鷹野さん(NEVERLAND)の「目蓋に焼き付けて」と志佳子さん(WORLDISTA)の「まなうらにいる」も偶然の一致であり、「パレード」と「声の残像」と表現しているところもそれぞれの色がよく出ている。「手」に関して言えば3首も別コンサートで登場していて、それぞれ取り扱いが微妙に違う…並べたからこそ現れた面白さがある!楽しい!

 どの担当を見ても、それぞれに思い出せる風景があり、アイドル短歌の面白さにまた深く触れることができたような感覚がありました。コラボや連作は楽しい。

 

ただもっと上手くなれるよう日々精進していこうと思った…もっと面白い短歌、詠んでいくぞ…!