STORY感想 ~それでも抱えこれからも抱え~

遅くなりましたが、STORY感想です。

曲だけの感想のはずがめちゃくちゃ長くなりました。 

 

 

01. STORY
[作詞:ヒロイズム / 作曲:中西亮輔、ヒロイズム / 編曲:中西亮輔、黒田賢一、芳賀政哉]

今回の1曲目はインターではなく、曲「STORY」から始まる。どんな世界観なのかを伝えリード曲へいざなう役割がない。それはアルバム『STORY』が「圧倒的リアル」だからこの世界を説明する必要がないのだ…と思っている。勝手に。そういうところがめちゃくちゃ好き。勝手に。
ただ、オープニングのアナウンスが今までの一曲目のインターに当たるなあとも思った。

You have finally made it to the 4th area of “Story” “Story” is a bit different area compared to the other areas, this time you are traveling inside the member’s heart. Here, we would like to take a look back about the time you and the members have spent together.
Are you ready to hear the voice of their heart? Alright, Let the Journey Begin.

「Journey」 旅。
これから彼らの心の中への旅が始まる。(英語に弱いので完全にネットサーフィン程度の知識ではあるが)この「Journey」は、旅の中でも長い旅を意味している。旅行ではなく、旅行の過程、何かを成し遂げるための過程で使われる単語だ。4人のこれからも続く時間への、旅。

壮大なイントロから、Neverland、EPCOTIA、WORLDISTAの歌詞のオマージュ、メロディーラインのアレンジが入る。イントロ時点でオタクみんなが「ディズニーが始まる!!!」って言っていたけど、それくらいの壮大なファンファーレから「コンセプチュアルアルバムの最終章」が始まるなんて、夢みたいだ。

 


02. SEVEN
[作詞・作曲・編曲:ヒロイズム]

コーレスが難しいよNEWSくん!そういうところあるよNEWSくん!頑張るねNEWSくん!
やっぱりNEWSアルバムのM2はこうでなきゃねと思うような、STORYという世界観とコンサートで盛り上がるであろう現実が混ざり合う。
4+7は何か。答えは無数にあるとライナーノーツで語ってくれているし、NEWS側が想定しているほとんどはライナーノーツで解説してくれているものなんじゃないかなあ(加藤さん自身も謎解きしていて愛おしかった)
私が謎解きするのなら。ちょうど「傘蟻」を読んだので浮かんだのはエンジェルナンバーでした。ぱっと調べてみると(そもそもエンジェルナンバーの解釈は多いらしく、そのうちの1つですが)願いが具現化しリスクを冒せる時間。つまりは始まり。第一歩目。そんなふうに読み解きました。楽しいなあ。コンサート期間中にもいろいろ考えられたらいいなあ。

 

 

03. SUPERSTAR
[作詞・作曲・編曲:ヒロイズム]

NEWSのサッカーソングがどんどん好きになる。
 歌番組では4人、それぞれがばらばらの場所から歌いだし、途中一か所に集う演出がされている。増田さんの歌いだし「ひとり うみわたり とおい きみをおもう」がとても好き。このあとも同じ表現をするんだけど、短歌を読んでいる気分になる。少し言葉が足らなくて、余韻があってほんのりと切ない。サッカー曲としての力強さと壮大さもありながら、戦いに挑むときに胸に灯る小さな祈りのバランスが素敵。
「SPIRIT」で羽ばたいたものが空を飛び海を渡り、ひとり。それは私でありみんなでもある。地上から見えるSUPERSTAR…願い。情熱。夢。希望。そういったワードを連想するのにそれは決して満ち足りた感情ではなくて、勇気を出す瞬間というのはいつだって怖いことを思い出させてくれる。

 

 

04. We Never Gave Up -Interlude-

初見(初聴?)シゲ担殺しだった。まじで勘弁してくれ。
今回はどんな声優を起用するのか、もしかしたらNEWSがインターをやってくれるかな? くらいは思っていたが、まさか「リアル」な声だとは思わなかった。加藤シゲアキに「挫折」という言葉の鮮烈さに心臓がありえないスピードで動いた。ライナーノーツいわく、プロデューサーさんの勘でメンバーごとに質問を選び、NEWSに投げかけられたものらしい。つまり、用意された言葉ではない。加藤さんはこの質問に答えてるとき、きっと目がうろうろしているんだろうなと思った。加藤シゲアキに「挫折」を投げかけるプロデューサーさん、本当に信頼できる。
話はそれるけど、加藤さんに対して「後悔」って言葉を思い浮かべるときがある。私自身は後悔なんて絶対にしたくないし、後悔しない選択肢を選び続けようと強く思うくらいに後悔が怖い。でも加藤さんを見ていると、むしろ人は後悔があるからこそ、たくましくなれるのではないかなと思うときがある。挫折も同じように思うんだよな。
挫折の話から、今があるのは「あきらめなかった結果」と締められる。だから「Gave」なのか。「I」じゃなくて、「We」にしたスタッフの温かさもニクい。

初めて聞いたとき、この時点で次の「What is Love?」が小山さんなのもすぐに分かった。愛を聞くのは、語るのなら、小山さんしかいないから…

 

 

05. 何度でも
[作詞:向井太一 / 作曲:向井太一、☆Taku Takahashi(m-flo) / 編曲:☆Taku Takahashi(m-flo)、Mitsunori Ikeda]

加藤シゲアキの語りを呑み込めないまま、穏やかなイントロが流れ出す。
アルバムとはいえ、ここまでNEWSについて歌う曲が存在してることに今もびっくりしている。なんというか、私の中のイメージでだけどアイドルは自分たちのことを歌わないのだと思っていた。アイドル自身の曲にも聞こえるけどそうとは言い切れない曲というのはたくさん聞いてきた。アイドル自身の曲があったとしてもアルバムにつき1曲ぐらいのものだと思ってた。これはNEWSとファンの曲であり、NEWSの歴史の曲であり、みんなの歌でもあった。

温かさだけでなく生々しさもある。「寂しさ」「悔やんだ時間」とはっきり言われる。どこからどうみてもNEWSの曲なのに、普遍的な個人の状況ともリンクする。Interludeの「あきらめなかった」というワードがあらためてこの曲で生きてく。

何がすごいってこれ外部提供なんだよ。向井太一さんがライブDVD等を見て、NEWSとNEWSのファンを考えて書いたとのこと。いろんなものがバレてて恥ずかしい気持ちにもなったしまった。「君」が私だと、ファンだとなんの疑問なく思える曲。悔やんだ時間は(私にもNEWSにもほかの誰かにも)戻ってこないけど、今は生きてゆける。「広がる世界は理想じゃないけど」という歌詞が本当に大好き。寂しくて寂しくて嫌になっちゃうけど、そういう言葉だけが寄り添える時間もある。NEWSの曲は前向きなわけじゃなくて、未来志向なんだと思う。これからがあるというのは、たぶん、やっぱり、幸福だと思う。

 


06. What is Love? -Interlude-

「真実の愛。」ほら、やっぱり小山さんだ。
小山さんって実は言語化苦手でしょって思うときがある。(ここまでもイメージここからもイメージですけど)小山さんって最初から答えを持っている印象があるんだよね。だから説明しようにも、答えは答えなので言葉が時折抽象的になるような。小山さんは論理的に見えるのに、論理的である必要のない愛だとか倫理だとか思いやりだとかに対しては言葉に滲む。
「一生続く愛は…それを信じて生きてるけどね」あると思うという言い切りでもなく、あると知ってるわけでもなく、小山さんは「信じて生きてる」というところが超好き。

「それを止めちゃったときに存在価値というか、生きがいみたいなものがなくなっちゃう気がする」

 

 

07. STAY WITH ME
[作詞・作曲:eill / 編曲:トオミヨウ]

アルバム『STORY』スルメ曲が多すぎる。eillさん作詞作曲のバラードソング。

「この広い宇宙で出会った運命 なんて 信じちゃいなかったけど」

「だって君がいる昨日と今日は、違う」

「何もかも君のためでいい」

今ふと思い出したのは「主よ人の望みよ喜びよ」。いわゆる賛美歌で、キリストへの感謝の曲なんだけれども、メロディはどこか寂しい。自分の中で勝手にある理論なんだけど、幸福はいつもどこか寂しいと思ってる。
何もかも君のためでいい。そうなりたいという感情は(個人的には)愛とは呼びがたいんだけども、そう思うくらいに愛おしくて愛おしくたまらない。だからそばにいてという祈りは、心細くて不安で寂しい。それでも君に出逢えたことは幸福だと思う。
あと「この広い宇宙で出会った運命なんて 信じていいかな?」の歌割を加藤シゲアキにしてくれて本当にありがとうございます。どうしてこういう歌詞が似合うのかな。疑ってしまうようなふりが似合うのかな…

 


08. Perfect Lover
[作詞:栗原暁(Jazzin'park) / 作曲:☆Taku Takahashi(m-flo)、Mitsunori Ikeda、久保田真悟(Jazzin'park)、栗原暁(Jazzin’park) / 編曲:☆Taku Takahashi(m-flo)、Mitsunori Ikeda]

本当に~~~~~大好き!イントロの可愛らしさ。Takuさんの曲大好き!綺麗すぎる歌割りとハモ、サビで一気に踊り出したくなる。アダルトというよりは、掴めそうで掴めないセクシーな歌声。現実ではないような浮遊感。「本音じゃ夢でも逢いたい」がこの曲のスルメ歌詞。「本音じゃ」ってことは相手に伝えられない言葉なんだろうね。どうしようもなくそう思うくらい、君は「完璧な恋人」。


本当にいい曲だ…と思ってると突然始まったセブンクエスチョン。しかも声はミスターインポッシブル…心臓止まるかと思った。シークレットトラックは1曲として表示されるから心の準備ができるんだけど、「Digital Love」のとき同様、曲の後ろにさりげなく入ってるところが初見殺し大好物NEWSくんだよなあ。そういうところ好きなんだけどマジで殺されちゃうから勘弁してくれ!

デビューしたてのときに受けるアイドル誌のような質問が9つ並べられる。なんで9つ質問してるのか未だに解明できなくてお手上げ状態です。7が9になるということ?バグ?シゲぴのライナーノーツ読むと9つ質問したのわざとっぽいのでどこかで回収されますか? 怖い

質問に関してはほとんどコメントないんだけど、好きなタイプは?→(∵)品のある人 にいろんなシゲ担がしんどそうにしてた。私もしんどかった。品か………品ね…………品か…………………となってしまい最終的に私の中にいるマイ・リトル・シゲ(MY LITTLE SHIGEAKI)と喧嘩したりした。

 

09. Love Story
[作詞:ヒロイズム / 作曲:take4、ヒロイズム / 編曲:ヒロイズム]

ラスト「好きなタイプは?」のクエスチョンからのLove Story。NEWSのスタッフシゴデキか? 知ってた。

イントロで体が勝手に踊ってしまう。もう何度も言われてるけど、コンサートEPCOTIA ENCOREにて知らないメロディを歌わされて足踏みさせて、それが次のシングルのサビだった。聞くたび、ああこの人たちが愛おしいなあと、サプライズが大好きで私たちを喜ばせようとしてくれるこの人たちが大好きだなあと何度も思ってしまう。あとLove Storyはそれぞれのソロパートがとてもよく出来てる。この人に歌ってほしいという歌割されてて、NEWSを知ってる人が作ってくれてることをまじまじと感じる。いや、本当に現実でいいの? 誰かが作ったアニメの話とかじゃなくて?って思う。よくできすぎてるよ、NEWS。


10. Commitment -Interlude-

増田さんの「こだわり」についてのインタビュー。増田さんのこだわりが強いだなんて、ファンもメンバーも知ってる。しかしその辞書を開いてみると、こだわりとは「責任」であると言う。「こだわり」というよりは「愛」であると言う。私は対アイドルに限らず、人の辞書を知りたい欲が強く、普通に友人と話していても「もっと詳しく教えて」と言ってしまう。あなたが使うその言葉の意味をもっと知ってみたい。

なのでこの増田さんのインタビューはものすごく楽しかったし、同時に増田さんはいつも鮮やかだなとも思った。増田さんは、私にとってNEWSの中で一番「分からなくて」、普段もどちらかと言うと言葉足らずな印象というか、わざとなのかそうじゃないのかあんまり説明しない人だなあというイメージを持っている。

でもコンサートStrawberryのメンバーカラーの衣装といい、曲Strawberryの「チョコレートの板のぼこぼこ 分けるための優しさじゃなく作るときにできたのを優しさととらえたんだ」という歌詞といい、このあとに続くクローバーの歌詞といい、増田さんからたまに出てくる言葉や行為は、賢者が練って考えたそれのように見事で、鮮明だ。普段はその気配を見せないからいつも驚く。どこがどう繋がったら、そんな素敵な解が出てくるんだろう。

 

「愛。愛だよ。」噛み締めるように、繰り返す。ここら辺から妙な違和感を抱く。

「アイドルが愛をただ奪い取る」。
「超リアルな熱」。
「The answer is "エス"」

ぐにゃり、と世界が歪む。インタビュー≒現実と、作りこまれた虚構が混ざり合う。リアルな言葉から世界が反転し、一気に次の曲「エス」につなげていく。絶妙すぎる。このカオスな瞬間を、自らが持つアイドル像を強く実現しようとしている増田貴久に当てるところもまた、うますぎる。

 


11. エス
[作詞:AKIRA / 作曲:AKIRA、芳賀政哉 / 編曲:芳賀政哉]

ゼロ秒待ったなしで始まる増田さんのラップ。あ~これで殺されるんだろうなと思った。1番はスピーディーに駆け上がり、2番Aメロの小山さんで突然スローなメロディーに転調し、ミステリアスな歌詞があてがわれる。天才。絶対に生じゃないと満足できなくなるんだろう手越くんの歌声と、全てを打ちのめす加藤さんの淫猥なセリフ。天才。

正直今回の加藤さんのセリフは最初照れしまったというか、共感性羞恥というか、まあ、うん…という戸惑いのほうが大きかったんだけど、ライナーノーツでエス(イド)、本能的欲求についての解説があり、それを聞いてセリフが急に腑に落ちるようになった。超自我(社会的道徳)を惑わすエス。抑えられないエスを解き放つ曲…というふうに解釈した。先日、まさかのCDTVでの披露があり、この曲を味方につけたNEWSがあんなにも妖しく見せてくれたことにひっくり返った。いや、いやいやいや、曲の良さを何乗にもしてくるなよ。好きで困るよ。


12. トップガン
[作詞:Hacchin' Maya / 作曲・編曲:ヒロイズム / ブラス&ストリングスアレンジ:CHOKKAKU]

エスの次だと思うとトップガンの安心感すごい。ポップでメロディーにダンダダダンダンというキャッチ―な歌詞。楽しい。WORLDISTAではカラスの衣装、シングルでは白シャツに赤いパンツの衣装だったけど、STORYコンサート。楽しみだ。

 


13. Prime Time of My Life -Interlude-

最高の瞬間を共有したい人。私は手越くんが「きれいごとじゃないけど」と前置きをするところに愛おしさを感じちゃうんだよね。そんな前置きをしなくたって、手越くんが本当にそう思っていることはファンである私はよくよく知っているよ。
手越くんは時折こうやって、何度も何度も繰り返すように説明してくれる。論拠を披露してくれる。伝わってるよ、大丈夫だよ、って心の中で頷く。誰かが自分のことを思ってくれていることに触れながら、自分がそう思う理由を話してくれる。誰かのためでなく、自分のために、自分が選んだ考えたことであると述べる。

コンサートStrawberryで、手越くんは「手越祐也は自分だけのものではありません」と言った。少しだけ漂う不穏さに私は瞬間ドキッとしたのをよく覚えている。少しして昔の雑誌を読み返しながら、とある記事を見つけた。

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「自分だけのものではありません」というのは、手越祐也がファンを思って出た言葉なんだなとやっと気づく。手越祐也が、手越祐也のために、大切にしてくれた道がある。何度も何度もそれが嘘じゃないと、手越くんは言ってくれるから、私はそれだけで幸福になれたりする。

 

 

14. 君の言葉に笑みを
[作詞・作曲・編曲:ヒロイズム]

マジでこれもスルメ曲。
イントロにのせて流れる「私たちの夢は」「「ずっと親友~!」」「とぅるるる~ とぅるるるる~ん♪(たぶんチャンカパーナのメロディ)」にいっつも泣いちゃう。たわいないんだよな。たわいなくて居心地が良いのに願い事みたいで好きなんだよな。はっきりビジョンがある夢から淡い期待の夢までもがこの曲を彩る。なんだか懐かしいメロディーラインは温かい。過去三部作の歌詞やイメージも散りばめられている。ラストに入ってる男性の声は、たぶんヒロイズムさん。これがラストでもいいんじゃないかと思うくらい過去と今と未来が、綺麗にまとめられている。

 

 

15. クローバー[作詞・作曲:NEWS]

作詞作曲がNEWSであるのは元から知ってたので、イントロで気合い入れたらまさかの「希望yell」のオマージュ。そんなことあるかよ!!!!!!ねえ!!!!!ヲタクの夢かよ。夢かもしれない。アレンジであることが分かった瞬間もう幸福値がカンストした。大好きだよ。大大大大好きだよ。ずっとずっとずっと同じことを歌ってくれるから、私はNEWSが大好きなんだよ。

さて、ライナーノーツにてそれぞれのパートのテーマについてネタばらしがありました。四つ葉のクローバーの4つの意味。順番に希望、誠実、愛情、幸福。これはシゲ部で先に語ったんですけど誠実ってワードを聞いた瞬間に絶対シゲじゃんと思ったし、実際シゲは誠実パートだった。

 

順番に。増田さんの希望パート。Interude同様、増田さんの鮮やかさはすごい。全部の歌詞が良すぎる。

「優しい君が探してた場所が僕らの愛したココだといいが」
「逃げる場所にしたっていい 辛くなるなら、聞かなくていい」
「誰かを傷つけるヤツから ただお前を守れる言葉が」
「いつでもいつもここに来て、俺に甘えていいんだよって伝えてあげたいだけなんだ」

僕らの愛したココだといいがの言い切りをしないところ、「いいな」という可愛らしさでないところも良い。辛くなるなら聞かなくていいというもうひとつ逃げ道を用意してくれる。いつでもいつもここに来て…は、ポエトリーリーディング風にしたことで思わず漏れてしまった本音のように聞こえてくる。そして、後半は旅(遠足くらいの幼さで、手軽でワクワクするもの)に絡めた歌詞。すごい。増田さんの辞書を開いて「希望」を読むとこうなるのか。面白すぎる。もっと増田さんの辞書読みたい。

 

加藤シゲアキの誠実パート。いや、誠実しかありえないでしょ。
加藤さんに誠実というワードを当てたいと思うのは私の癖でもある。誠実さというのは素直とも違い、忠実であろうとする心だと(それこそ私の辞書では)考えていて、なんとなくそれが加藤さんを連想させるのだ。
でも加藤さんは本人は「誠実」はどうとでも取れるので、あらためて詩を書こうと思うと難しいといったような感想をライナーノーツで残していた。まあ、確かにいつもやっていることを、あらためて前に押し出すのは難しいのかもしれない(いつもやっているというのは私のイメージでしかないけどもね)。感情移入しやすい場面の描写とのことだけど、これは実際にあったことなのだろうか? なんとなく、実際にあった場面っぽくないんだよなあ。
眠れない夜をテーマに具体的な描写のあと、「希望を手放さないで 絶望に手を出さないで」という歌詞が続く。いい。すごくいい。絶望はやってくるのではなく、手を出さないように努力できることでもあるのだとしたら、それは福音だと思う。

 

小山さんの愛情パート。そう!!!小山さんは!!!愛情!!!!
温かく甘い歌詞と、優しい歌声に鼓動みたいなメロディー。初めて聞いたときも、今もずっとドキドキしている。クローバーの歌詞の小山さんは、頑固だ。「近くにあるよ いるよ 気づいてよ」ということを、「幸せにしたいこの想い」を、伝えようとしてくれる。言葉にすることも形も本当は要らないと思っているのに、どうしても不安ならと行動で示してくれる。最後には言葉にもしてくれる。小山さんの愛はいつもあったかい。照れる…
そのあとの「未来だってそうさ」の歌詞が良すぎる。なんの疑いもないんだもん。
「子供のころの自分にこれが愛だって伝えたいんだ」は愛おしさと切なさで、心が揺れてしまう。この人に優しくありたいし、この人が言うことにうなずきたくなる。小山さんを見ていると、信じてあげたくなる。なんて言ったらいいんだろうな、こういうの。

 

手越くんの幸福パート。逆に手越くんはこういうとき言葉数が少なくなる。手越くんはばーっと話すイメージがあるけど、たいがいそのほとんどが伝えたいことに対する論拠だったりする。論拠をや説明を剥がしていくと、その言葉は真っすぐで素直なものになる。「君がいるから幸せ」を、ファンである私は真っすぐに飲み込める。「幾千の星の夜を越えて」「夢を目指す 君に幸あれ」から「幾千の悲しみや別れ乗り越えて 永遠に君に幸あれ」の変化が眩しい。夢を目指してからもう十何年もたって、いろんなことがあって、今がある。

「あの日 僕ら偶然出会い」
「まぶしい 毎日が始まり」
「ひとり 僕じゃ全然できない事ばかりだったけど」

昔の手越くんが胸に浮かぶ歌詞。いろんなことがあったけど「まぶしい毎日」と書いてくれたことがうれしいなあ。

 

聞いたあと、シゲが誠実ならほかのみんなはなんだろうと思ってツイートしたのでこちらにも載せておきます。

小山さんは愛を信じること。

加藤さんは愛に誠実であること。

増田さんは愛に責任を持つこと。

手越くんは愛を諦めないこと。  

 

 

16. NEW STORY
[作詞・作曲・編曲:ヒロイズム]

べっしょべしょになったところに「何度 夢に破れ 夢にはぐれ ここまできただろう」という手越くんの歌声が胸に迫ってまた泣いちゃう。エンディングとして素晴らしすぎる。

生きていく
一度きりの
物語を

 

生きていく
すべて抱え
進んでいく
自分(きみ)のSTORY

詩がすごぶるいい…抽象的なのにみんなが共感できて、でも誰にも語れない詩。ヒロイズムさんは本当にすごい。そしてこれがNEWSなんだなと思う。何度も夢に破れて、何度も夢にはぐれたことがあって。でもその荷物はおろしたりできないから、全てを抱えて、生きていく。

生きるというのは生きるを続けるということだ、と過去ブログに書いたことがある。幼いころはもっと単純なものだと思っていた。長く生きれば生きるほど、抱えるものばかり増えて嫌になる。それでもやっぱりこの人生を続けなきゃいけない。疲れるときもある。
そういうとき、例えばNEWSを思い出す。NEWSが頑張ってる。NEWSを見ているとそれでも人生は進まなければならないし、何より「人生はちゃんと続いていてくれるんだな」ということを思い出す。

4人のことをすごいと思うし尊敬もするけど、小山慶一郎が、加藤シゲアキが、手越祐也が、増田貴久が、特別な存在だとは思ってない。そりゃ私にとっては特別な存在だけど「神に愛された」とか「幸運な」とか「才能の持ち主」とか、そんな枕詞は使わない。同じ、人間だと思う。うまくいかない日もあって、言えないこと言わないことがあって、頑張るを続けるしかなくて、平等に与えられた試練をまっとうしている「人間」だと思う。

たぶん、すごく広義な意味で仲間だと思っているから、私はNEWSとNEWS制作陣が作った言葉に勇気をもらってしまう。

 

 


17. 戀(読み:こい) / 増田貴久
[作詞・作曲:GReeeeN / 編曲:nishi-ken(Diosta inc.)]

完全に油断してた。結論から言うとめちゃくちゃに刺さった。この曲は短歌みたいだ。そんなに具体的ではないのに、ニュアンスではっきりと伝わってくるものがあって、言い切りには余韻がある。

「なんでもない僕からどうやらなんでもない君へ」の「どうやら」がいい。感情が先にあって、それに自我が気づいていくような描写。「涙はこうしてあふれる」も同じで、いとしくていとしくて、勝手にこころが言って、勝手に涙があふれてくる。この曲が本当に大好きなんだけど、あまり言葉が出てこない。グラスからあふれてしまったような想いが、ただとめどなく流れてくような、そんな曲。

 

18. Narrative / 加藤シゲアキ
[作詞・作曲:加藤シゲアキ / 編曲:加藤シゲアキ中西亮輔

最初に聞いたとき、映像が流れてきた。冬の、一面雪が積もった場所に枯れ木が一本、それとヤドリギ。全体的に暗いけど空は青い。あとは湖の波紋みたいなものも浮かんだ。
詩自体が心象風景になっていると思った。加藤さんの中にある何かしらに対する心象風景を描いている。のちのち、ラジオ等で判明したけど物をつくることと、(クローバー」の歌詞を表とするならば)加藤シゲアキの「裏」のほうを描いているらしい。

 

ざっと自分の中の解釈を書いていきます。長いです。
ヤドリギの夢」がめちゃくちゃ加藤シゲアキ(というか私の"ヘキ")。飛び立つ鳥の夢ではなく、その鳥を見送る、どこにもいけないヤドリギの夢。
調べたところヤドリギは「寄生をして生長する」植物らしい。花言葉は「忍耐」。これも何かの比喩っぽい…こういう抽象的なものを解釈するのは、むしろ自分が掛けている色眼鏡を自白することでもあるので正直めちゃくちゃ嫌なんだけど、あくまで私が感じたことを書きますね。
例えば、ヤドリギが寄生している先はどこか。アイドル加藤シゲアキで言うのなら事務所かもしれないしNEWSかもしれない。そういったものに所属しながら…寄生をしながら小説を書き続けている。
羽ばたく残像…は実物か虚像かは置いといて、鳥をイメージしています。その鳥は誰か? 去っていった仲間たちか。いなくなってしまった裏方の人か。それとも、ファンでなくなったファンたちか。なんでも当てはめられる。もしかしたら鳥は人間ではなく、自分の頭の中で描いている物語なのかもしれない。
ちなみにヤドリギはその特殊な姿から神話にも使われてるらしい。ちょっと結びつかなくて保留にしてるけどここら辺の意味合いも絡めてそう。つまり「鳥を見送る側」と「寄生している植物」と「神話」のトリプルミーニングとか?

漂う砂~letterもやはり心象風景。これは見かけたツイートだけど「結ぶ針って、釣りやってる加藤さんらしいよね」って言葉にめちゃくちゃ影響うけた。確かに。漂う砂も、結ぶ針もインクのカラーも全部創作にまつわる言葉だよなあとふわっと解釈してます。

一番はなんというか、何にもなり得ないまま終わるなと思った。二番から話が動き始める。「委ねた瞬間」から物語の運命がゆっくり動き出す。

「あなたの風になりたい」もなんなんだろうなあ。わざわざカギ括弧なあたり他者の言葉なように聞こえるけど、誰の言葉でなんの比喩なんだろう。私ならこれも「ファンの言葉」と解釈するけど、もしかしたら加藤成亮の祈りかもしれない。

そうやって重ねた日々が積み重なって意味となる。道が少しずつ開けてく。まだ手は痛くても、運命の輪は動き始めてしまった。混ざり合うラインは「あやめ」のボーダーラインと同じかなと思ったけど、この文脈だと通らないんだよなあ。要審議です。

「語り尽くせる者」は最初どんな意味が分からなくて戸惑っていた。「語り尽くせぬ」でもなく、「語りつくせるもの」でもなく。今は小説家≒語り尽くせる者なのではないかという仮定をしている。そして「その目で見たもの」から「ページを開いてゆく」はまだこれからもNarrativeを続けるという意味合いに聞こえました。

いまいち、これが「裏」というほどネガティブなものに聞こえなくてまだふわふわとしかとらえられないので、コンサートでどんな演出になるのか非常に楽しみです。


19. STAY ALIVE / 小山慶一郎
[作詞:小山慶一郎、ヒロイズム / 作曲:ヒロイズム、芳賀政哉]

タイトルからバラードかと思ったら全然違ってめちゃくちゃテンション上がった。
超かっこいいし、前作「Going that way」を思い出す。たぶん演出は足の長いJr選抜。体が揺れる、リズミカルなメロディ。早くコンサートで聞きたい!!!

 

20. プロポーズ / 手越祐也
[作詞・作曲:手越祐也 / 編曲:U-KIRIN]

タイトルで手越担が死んだ。メロディーラインの手越くん好きそう感もさることながら、「照れちゃうけど 嘘じゃなくて」も手越くんらしい歌詞。ピュアで真っすぐで、可愛いらしい。手越くんのいいところが全部ある。メロメロになってしまう。

 

 

 [Secret Track]

初回限定版のみに入っているシークレットトラック。最初まったく気づいてなくて、Twitterを見てから知った。NEWSくんのことをよく知っているからこそ、何が起こるのか分からなかった33秒のトラック。


正直言えば、最初STORYがちょっと怖かった。私はNEWSのコンセプチュアルコンサートを好きになったから、思ったよりもストレートだったらどうしよう。何枚もチケットを取ったけどそのすべてを楽しめるだろうか。飾らないNEWSを、好きになれるだろうか。

結論から言えばまったくの杞憂だった。まず、このSTORYもクセ強強コンセプチュアルアルバムだった。いや架空のラジオってなんなんだ。どうしてわざわざ架空のラジオにする設定があるんだ。増田さんのインタールードでどうして急に虚構が混ざるんだ。どうしてセブンクエスチョンは9問あるんだ。どことなく、今までのコンセプチュアルアルバムにあった「設定」が香る。今回「物語ははファンタジーから「圧倒的リアル」へ」という触れ込みだった。圧倒的リアルだからといってノンフィクションとは言っていない。散りばめられた謎はこのアルバムに奥行きを持たせてくれた。
シークレットラックは最後「ジャニーズエンタテインメント」で終わる。(JEが合併するので)JEから出せる最後のアルバムであるということ、今までの感謝のためこれを入れたのだという解釈も好きだけど私は別のことを考えていた。この物語はジャニーズエンターテイメントが「作った」のだということ。圧倒的リアルさは生々しさとも違った。リアルに、アイドルと私たちの間にある愛を語ってくれた。それがうれしくて、どうしようもなく好きで。飾る飾らないとかコンセプチュアルがどうだとかもうどうでもよくて、ただ好きだった。

夢みたいだと思う。これでピリオドを打ってもいいんじゃないかと思うくらいきれいで、だけどもそれでも人生は続くので、NEWSも続いてく。ずっと現実なのに、こんな夢みたいなアルバムを、NEWS四部作という素晴らしい作品を、追うことができてとてもうれしい。

 

にしても、こんなにめちゃくちゃな愛をもらっちゃってどうしようね。聞けば聞くほど、うちらやっぱりバカップルじゃんと笑ってしまうアルバムだった。NEWSがとても大好きだから。大好きな人に好きを返されると、本当に照れる。まじで照れる。

 

まだ少し掛かりそうだけど、コンサート行けるのも楽しみにして待ってます。

 

 

※お題もお借りしました。ありがとうございます。

お題「NEWSアルバム『STORY』レビュー」