約束するよ

Johnny's World Happy LIVE
3日目。


始まるまでそんなに気構えず、たぶんなんでもないように始まってなんでもないように終わるんだろうなと思ってた。
でも、緊張はしていた。3人に対してどんな感情を抱くんだろう。心が揺れなかったらどうしよう。

 

1グループ目を見ながらさまざまな感情を思い出した。
NEWSと出会ってから、いろんなものが変わった。
今まで響かなかった歌詞が切なく胸に降ってくるようになった。
昔の私なら、歌番組みたいに各グループにセットを組んで魅せてくれたほうがいいと思っていただろうけど「コンサート」じゃなきゃ駄目になった。

会いたいと思う切実さが分かるようになった。アイドルがアイドルをしているという輝きを好く自分になった。

現場に行きたい。服を選んでグッズに並んで、ノイズが多いあの現場で大好きな人にだけ集中する時間が欲しい。言い訳が無駄になって、自分の感情が生々しく分かって心が揺れまくってしまう、劇薬のような現場に行きたい。

 

他のグループが羨ましくなることは、確かにある。例えば(前回も含めて)Johnny's World Happy LIVEならば、他グループのファンにコンサートを見せられるチャンスでもある。とびっきりの4人を見てほしかったなと思う。見せつけてみたかった。私が好きなグループって最高でしょう、ねえ、羨ましがってよ。
しかしそんなことに意味がないことも分かっていた。だってみんな自分が好きなものが一番じゃないか。どんなに羨ましくても、それが自分が好きなグループじゃなきゃ意味がない。逆に言えば、そんなものがなくたって、好きなものは好きなのだ。
そう考えると、私たちファンはいつだって「アイドルがアイドルをしている姿を見たい」という点についてはみんな一緒なんだなと、意味のない連想ゲームをしていた。

連想ゲームは続き、今度はいろんな友人の顔が浮かんだ。自担が結婚した友人、なかなか自担グループのCDが出ない友人、応援しているグループのメンバーが活動休止している友人。誰の悲しみにもうまく寄り添えることはできなかったし、想像でいろんな言葉を考えたって渦中にいる人間の想いのほうがいつだって鮮明だった。

 


NEWSの「クローバー」。歌うんだという驚きと同時に、え、最後の手越くんのパートはどうするんだろうと戸惑いまくった。
歌も物語も不思議だ。心の状態で、全然違ったふうに胸に届く。会いたいと思っていること、寂しいと思っていること、つらいと思っていること。そういう心が分かってしまう。

 

加藤さんのパート「どんな夜だって越えられるから We’ll be together 見上げた先に光はある with you forever」。
加藤さんはこの「We’ll be together」歌ってないんじゃないかという話を、前にしたことを急に思い出した。「ここ、我々のパートではないか?」と友人は言った。

果たして、加藤さんは「We’ll be together」を歌わなかった。でも「with you forever」は歌った。この話を友人としたとき、私はこう言った。
「何度考えても私の都合のいいものになってしまう」
「だって、これって加藤さんがいつも言う『ずっと』じゃないですか?」

 

もうひとつ、これは見かけたツイートなんだけど、「僕らの手を握っていて、そのぬくもりを忘れないで」という歌詞が『できることならスティードで』の祖父母の話と重ならないか、ということも思い出した。加藤シゲアキが、祖父の病室に行った日の出来事。いろんなことを忘れてしまった祖父は、それでも祖母のことは覚えていて、何度も何度も祖母の手を握った。これからまたいろんなことを忘れてしまっても、その温もりはずっと覚えているだろう…というエピソードだ。見たときはあんなにも心を乱されたのにすっかりずっと忘れていて、今日、加藤さんが歌っているのを見て久しぶりに思い出した。いや、やはりこちら側に都合の良い解釈すぎないかと思うんだけど、私はこのぬくもりを忘れないし、何百回だって、何万回だって約束できる。

 

閑話休題。手越くんのパートは誰も歌わなかった。そのせいで、一気に「いない人」が「いる」ことが分かった。なんでもないように…なんてとんでもない。この世界は、STORYというコンサートがなくなって、手越くんが芸能活動休止になって、3人で歌わなくちゃいけなくなった世界だった。もう過去はやり直せなくて、今できることをするしかない人がいた―――もう一人も見えるところにいないだけでいるのだ―――。


情緒が不安定、どころか情緒タコ殴りにあった。NEWSのコンサートがやっぱり世界で一番好きだ。周りが羨ましいとか、羨ましいとか思ってほしいなんて、やっぱりとてもどうでもいいことなんだと思う。だってどこからどう見ても世界で一番なんだもん。こんなに心を揺らす人たちはいない。NEWSがどうしたら一番よく魅せられるか考えていて知っていて、外野なんか全然見れない内向きな人たちだから好き。その不器用で泥臭くて、必死で立つ姿が大好き。

 

 

U R not alone。手越くんのパート。ほかの三人が歌わなかったあのパートも、私は歌おうと思った。手越くんのパートだからたぶん歌わなかった人のほうが多いのだろうけど、私は歌いたくなった。でも全然ね、無理だったね。あそこ泣いちゃって歌えなかった。私は歌えないし、ほかの3人も歌わないから、やっぱり手越くんに歌ってほしいな。

 

 

 

ずっとね、どうしたらいいんだろうって思うけどどうしようもない。何もできないとは思わないけど、手が届かない領域というのはどうしたってある。待つことしかできなくて、でも待つことならいくらだってできる。

 

それでも大切にしたいなということ。怖くても人生は続いていくこと。どんな勇気を抱けばいいかは、過去のNEWSから教えてもらっている。

臭い物に蓋をすることもせずに、あったことを抱きしめて歩く君たちが今日も好きだよ。どうか優しい未来が待っていますように。